「在宅医療」テーマに市民公開講座オンライン開催―日本呼吸器学会学術講演会、4月5日開幕
「ポストコロナ時代の呼吸器病学~みなと横浜から世界へ、そして未来へ~」をメインテーマに、第64回日本呼吸器学会学術講演会が2024年4月5~7日、横浜市のパシフィコ横浜 ノースで開催される。それに合わせて「在宅医療」をテーマにした一般向け市民公開講座がオンラインで公開される。会長を務める金子猛先生(横浜市立大学大学院医学研究科呼吸器病学教室主任教授)に、市民公開講座の概要、呼吸器病学の魅力と克服すべき課題などについて聞いた。
◇テーマに込めた思い
医療の現場に大きな混乱と負荷をもたらし、日常生活へのさまざまな制限によって私たちを苦しめてきたCOVID-19(新型コロナウイルス感染症)のパンデミックは、世界保健機関(WHO)が2023年5月に緊急事態宣言終了を発表し、国内でも感染症法上の位置づけが季節性インフルエンザと同じ5類に引き下げられました。医療現場や私たちの生活は、やっとコロナ禍前の状態に戻ってきています。 今回の学術講演会は、新しい時代の幕開けとして、これまで蓄えてきた学問に対する情熱を増幅させ、叡智を結集し、国際都市横浜から世界へそして未来へ、最新のエビデンスを発信したいとの思いを込めてテーマを設定しました。5年ぶりにライブ配信を行わず、対面での活発なディスカッションを展開し、躍動感あふれる、希望に満ちた、実り多い学術講演会にしたいと思っています。
◇「病気になっても自分らしく」を学ぶ市民公開講座
学術講演会に合わせて、「病気になっても自分らしく生きる。在宅医療について知ろう。」というタイトルでオンライン市民公開講座を予定しています。 以下の4講演(全90分)を通じて、医療の選択肢として在宅医療について学ぶ機会を提供します。司会は横浜市立大学附属市民総合医療センター副病院長の工藤誠先生にお願いしています。 ・北里大学医学部新世紀医療開発センター横断的医療領域開発部門臨床腫瘍学の佐々木治一郎教授 「自分らしく生きるために必要な『人生会議』」 ・横浜市医療局地域医療課の鎌田学・在宅医療連携担当課長 「横浜市の在宅医療」 ・医療法人社団小磯診療所の磯崎哲男院長 「病院に通えなくなっても在宅医療があるじゃん」 ・こいそ なんでも福祉相談室 ケアマネジャーの玉井秀直さん 「在宅診療・介護の支援の実際」 これらの講演をお聴きいただくことで、ご自身やご家族が在宅医療を希望された場合にどのようなサービスが受けられるのか、どのような手続きが必要で、どのくらい費用がかかるのか――などの、疑問を解消していただきたいと思います。そして在宅医療が、希望に沿った満足度の高い医療の選択肢となるかをご検討ください。ぜひお知り合いにも本講座の視聴をおすすめいただければ幸いです。 市民公開講座は4月5日12時~5月7日24時、日本呼吸器学会のYouTubeチャンネル(https://www.youtube.com/@user-tn7dz8mv8b)で公開予定。事前登録などは不要で、どなたでもご覧いただけます。