「在宅医療」テーマに市民公開講座オンライン開催―日本呼吸器学会学術講演会、4月5日開幕
◇「ことはじめ甲子園」など斬新な企画が盛りだくさん
学術講演会では「国際化」「若手医師の研究支援」「呼吸器内科医の増加策」「男女共同参画の推進」を組み込んだプログラムを作成、これらを踏まえ斬新な企画をたくさん準備しました。一例をご紹介すると、今回の目玉として「ことはじめ甲子園」を初開催します。全国の地方会で行った若手セッションで最優秀の成績を収めた医学生と初期研修医を横浜に招待し、最終日に全国チャンピオンを決定します。高校野球の甲子園大会さながらに、地方予選から勝ち上がった若手が競い合い、切磋琢磨することで呼吸器内科の魅力を感じてもらいたいと願っています。 会長企画も盛りだくさんです。その中でも注目は、学術講演会のテーマを踏まえて「みらい」をうたった「肺の再生医療のみらい」「肺癌薬物療法のみらい」「重症喘息(ぜんそく)治療のみらい」という3つのシンポジウムです。 肺の再生医療は、我々の悲願です。肺は再生しない組織のため、病状が進行した間質性肺炎やCOPDなどの患者さんを救うためには肺移植が必要です。しかし、肺移植はドナーが少ないため、移植を受けられる患者さんは限られています。そこで、再生医療の現状と課題、将来展望について3人の先生に講演してもらうほか、iPS細胞によって再生医療を大きく発展させた山中伸弥先生(京都大学iPS細胞研究所名誉所長・教授)にオープニングリマークスをお願いしています。
◇家族で「在宅医療」考えるきっかけに
市民の皆さんには、現在あるいは将来の切実な問題である在宅医療について考えていただく場を「市民公開講座」として準備しています。できるだけ多くの方に聴講していただきたいためオンデマンドでの企画にしていますので、ぜひご視聴いただき在宅医療についてご家族で話し合うきっかけとしていただければ幸いです。 恩師の大久保隆男先生(横浜市立大学医学部第一内科学講座、故人)が第37回の会長を務められてから27年ぶりに、横浜市大が学術講演会を再び担当することになり大変光栄に思っています。医学生・研修医からリタイアされた先生方まで老若男女問わず満足していただける魅力あふれるプログラムが満載ですので、可能な限り会場に足を運んでいただければと思います。ぜひ対面での発表やディスカッションを楽しんでいただき、そして、みなと横浜から世界に、そして未来に向けて最新の情報を発信してもらえることを願っています。
メディカルノート