資産運用のリスク分散を強化、安定運用で実績のある「UBSグローバル株式ロング・ショート・ファンド」
松永 当社では、アナリストが常時カバーしている1500銘柄について、過去40年あまりにわたって向こう10年間の業績予想を行っています。その予想業績を基にUBS独自の株価評価モデルを使って本源的価値を計算し、割高・割安を判断しています。株式市場では、割高・割安は修正されるというバリュエーション裁定が働いているため、しっかりした業績予想があれば、割高銘柄をショートにし、割安銘柄をロングにすることで、市場の上昇・下降にかかわらず安定的に収益を獲得することが可能になります。
たとえば、「ロング」にしている銘柄としてマイクロン・テクノロジーがあります。半導体メモリーDRAMを作っているメーカーですが、DRAMメーカーはかつて乱立し、過剰生産で共倒れした歴史があります。その後、業界再編によって現在は世界的な大手3社に集約されています。業界再編の結果、残った3社はバランスの取れた競争環境の下で安定した収益を稼ぎだせるようになっています。
また、タイヤメーカーのミシュランも「ロング」にしている銘柄の代表です。成長性の高いEV(電気自動車)向けや新興国向けが強く、同社のタイヤは他社に比べて30%ほどプレミアムが付くという強い製品競争力を持っています。このように価格決定能力のある強い製品を持っている企業を選好しています。
反対に、「ショート」にしているのは、過当競争に陥っている業界などです。時間が経過するほどに設備投資と収益のバランスが悪くなっていって苦しい経営になっていくような企業は、ショートポジションの対象になります。
――当ファンドが採用するマルチ・マネジャー型運用の仕組みとは?
松永 当ファンドは、7つのサブポートフォリオで構成し、それぞれを実績に優れる運用者に担当させる体制としています。運用戦略としてロング・ショート手法を使っていますが、運用チームはヘッジファンド専業ではなく、ロングオンリーも手掛けるグローバル株式チームである点が特徴的です。