資産運用のリスク分散を強化、安定運用で実績のある「UBSグローバル株式ロング・ショート・ファンド」
――グローバル株式を対象としたロング・ショート戦略の、既存の国内籍の運用成績は良くありません。新ファンドのパフォーマンスは?
松永 欧州では2012年8月末から運用実績がありますが、ユーロ建てで手数料控除後のリターンは、2024年5月末時点で設定来で年率5.48%です。過去10年で年率4.97%、過去5年で7.58%、過去3年で7.60%、過去1年で6.50%となっており、運用期間によるリターンのブレが小さく、安定的なパフォーマンスを示しているのが大きな特徴です。
ちなみに、これを円建てにすると、近年の円安の影響が出て、過去1年間のリターンは手数料控除後で24.54%になります。設定来のリターンは年率10.51%です。
この戦略が安定的なパフォーマンスを残している理由の1つは、ロング(買い建て)ポジションとショート(売り建て)ポジションの差を低位に保っているところにあります。ロング・ショート戦略の中には、株価の上昇が見込まれるときにはロングポジションを手厚くしてリターンを稼ごうとし、反対に、株価下落が見込まれるときにショートで収益を稼ごうというようなポジションをとる戦略もあります。これに対し、当戦略では相場が上昇する時でも、反対に下落する時でも、ロングとショートで差し引きプラス10%程度のポジションとすることで、相場環境に左右されにくいパフォーマンス特性を実現しています。
この戦略が注目を集めたのは2022年の相場でもプラスのリターンを残したことでした。当時、急ピッチの利上げを嫌気し、米ドル建てではS&P500はマイナスパフォーマンスに陥り、どの運用会社も収益を確保することに四苦八苦していたのですが、当ロング・ショート戦略は、堅調なプラスのリターンを実現していました。
――独自の株価評価モデルを活用してロングとショートのポジションをつくるということですが、「ロング」にする銘柄群の特徴、「ショート」にする銘柄群の特徴は?