【心の相談室】「でも」という後輩にイライラ…上手な付き合い方を専門家がアドバイス
体と同じく、ココロも健やかな状態でいたいものだけど、メンタルケアはなにかと根性論や「気の持ちよう」で語られがち。悩みは、実は心理学的なテクニックで対処できるものも多いという。そこで、臨床心理士の南舞さんが、読者のお悩みに具体的な対処法をレクチャー。今回は、35歳の女性からのお悩みについて。
「でも」と素直に受け入れない後輩にイライラ……
相談者Tさん:「『でも』と返す後輩にイラついてしまう」 指導を任されている後輩との関わりに悩んでいます。もう1年くらい一緒に仕事しているのですが、彼女への対応がスムーズに行かず、頭を抱えています。 こうしたらうまくいくだろうなとか、良かれと思って意見やアドバイスを伝えると、「でも……」という第一声。指導する時だって、パワハラやモラハラにならないように、言葉を選んで気を使いながら話しているのに、「でも」というその一言で、イライラの気持ちが湧いてきます。 今はなんとかそのイライラを抑えられていますが、いつかこのイライラが爆発してしまうのではないかと不安になる時もあります。 何を言っても「でも」と言ってくる後輩に対して、どんなことができるのか、どうしたらイライラが減るのか、教えていただきたいです。 臨床心理士・南さん:『後輩の言動や行動を変えるのは至難の技、対応を変えてみる』 Tさん、お悩みありがとうございます。人を育てるって難しいですよね。このご時世ですので特に、パワハラやモラハラと言われないように、常に細心の注意を払っていらっしゃるのだと思うと、そのご苦労は計り知れません。 そして、「でも」という言葉が最初に来ると、なんだか否定されたような気持ちになるかもしれませんね。せめて、後輩の方が、Tさんの言うことに対して、「そうですよね」「そうなんですね」などの一言を最初に言ってから自分の意見を言うだけでも、Tさんの感じ方も少し違うと思うのですが。 そう思いつつも、後輩の言動や行動を変えるのはなかなか至難の技かと思いますので、ここから先は、「でも……」と言う返しの背景にあるものや、その言葉を受けた時の反応についてカウンセリングスキルを例にお話ししたいと思います。対応のヒントになりますと幸いです。