【心の相談室】「でも」という後輩にイライラ…上手な付き合い方を専門家がアドバイス
『でも……』という言葉の背景にあるものは?
まず、『でも』という言葉にはどんな意図があるのかを知ると少し印象が変わるかもしれないので、少しだけお話しさせてくださいね。 一見、『否定された』という印象を持ちやすい言葉ですが、実は話している側は意図的に否定しているわけではないことがほとんどのように思います。 「でも」という言葉が語られるのはカウンセリングなどの場面でも良くあることなのですが、そういった時に話を深掘りしていくと、『誤解なく伝わらないようにしなくちゃ』とか『自分のことを否定されるかもしれない』『わかってはいるけど、不安なことがある』といったような気持ちが背景にあることが多いように思います。 もしかしたら後輩の方も、Tさんを否定しようと思って話しているわけではないのかもしれません。ですが、『でも』という言葉によって、否定されている印象が強くなってしまうのかもしれないですね。 ここからはTさんへの提案になりますが、『でも』と言われた時に、言葉の背景にあるものを本人に言語化させるようなコミュニケーションをとることによって、後輩とコミュニケーションがもう少しスムーズになるのではないかと感じました。 そこで、『でも』と言われた時にTさんに試してみていただきたいことをご紹介しますね。
「でも」と言われた時の上手な返し方とは?
【1】 相手の発言を受容する 『そうなんだね』『そうだったのね』など、まずは後輩の話を受け止めるということを Tさんから実践してみませんか? これはカウンセリングでクライエントさんとの関係作りをする時にも使われるものなのですが、自分のことを受け入れてもらえた、共感してもらえたと思うと、人は相手に安心感を抱き、本心を話してくれやすくなります。まずは後輩にTさんは話しても安心できる人だという印象を持ってもらうことが大切です。 【2】オウム返しを活用する 『あなたは〇〇だと思っているんだね』など、相手の発言に対してオウム返しをしてあげることも有効です。やりすぎると不自然になってしまうので注意が必要ですが、自分の話をしっかりと聞いてくれているという印象を持ってもらいやすく、相手に安心感を抱かせることができます。 【3】自身の感情を積極的に言葉にする Tさん自身が感じている気持ちをしっかりと言葉にして伝えることもおすすめです。例えば、『私は〇〇になることが不安だから何度も確認してるんだ、ごめんね』とか『こういう時は〇〇してくれると嬉しいな』などです。 感情が言葉に入ってくると、相手の気持ちが理解しやすくなります。また、攻撃的な印象が薄くなるので、言葉を素直に受け取ってもらいやすくなると思います。