パドレス 朗希&菅野のダブル獲り狙う 日本選手でローテ3枚形成だ!
日本が誇る両右腕のダブル獲りなるか――。ロッテ・佐々木朗希投手(23)の移籍先候補に挙がるパドレスのA・J・プレラーGM(47)が11日(日本時間12日)、巨人から海外FA権を行使してメジャー移籍を目指す菅野智之投手(35)に強い関心を示した。移籍市場の目玉は「ROKI」だけでない。今季3度目のMVPに輝くなど完全復活した右腕にも熱視線が集まっている。 大リーグの球団幹部や代理人が一堂に集うウインターミーティング3日目。プレラーGMは自身のスイートルームで、佐々木について「エリート・パフォーマー。どのようなプロセスを踏んでいくのか楽しみ」と語った後、もう1人の日本投手の名前を口にした。 「菅野は巨人時代だけでなく、大学時代(東海大)までさかのぼって長い間、見てきた選手だ。20年に彼がメジャーを目指した時も注目していた」 今季15勝を挙げ、4年ぶりの最多勝、MVPに輝くなど復活。「日本屈指の球団で、キャリア序盤から安定した投球を続けてきた」と熱く続けた。ドジャース、レンジャーズなどで国際担当を歴任し、レ軍時代の11年オフにはダルビッシュ獲得に尽力。日本球界に精通する同GMの長年の思いがほとばしった。 ポスティングシステムでのメジャー移籍を目指した20年当時、ジャイアンツ、レンジャーズなど多くが獲得に動いたが、米球界関係者によると、菅野が最後まで悩んだのはパドレスだったという。当時は別選手のトレード交渉で参戦が遅れ、交渉時間が足りなかったが、同じ轍(てつ)は踏まない。 憧れのダルビッシュがパ軍に在籍することが決断を後押しする可能性もある。心技体でお手本としており、今季地区シリーズのドジャース戦では大谷を封じた投球に注目し「凄い。内角高めにカットボールを中心に投げて、カーブを使いながら。ああいうのは参考になる」と語っていた。 ナ・リーグ強豪球団のアジア部門スカウトは「先発5番手、体調次第ではもっと上を任せられる投手。メジャー契約を得られる」と評価した。契約規模は「年俸1500万ドル(約23億円)ほどで1、2年の短期契約」と予想。大リーグ専門局「MLBネットワーク」のジョン・モロシ記者も「ジャイアンツが候補だが、他にもありそう」と解説する。先発投手は序列の高い選手から契約が決まるのが通例で、新天地決定は1月以降が有力だ。 米挑戦1年目の日本選手ダブル獲りが実現すれば、11年オフのマリナーズ・岩隈、川崎以来。「菅野の投球を実際に日本で何度も見てきた」とほほ笑むプレラーGMとパ軍の動きからは目が離せない。(杉浦大介通信員) 《マリナーズ・岩隈&川崎以来》海を渡る1年目の日本選手を同一オフシーズンに2人以上獲得すれば、11年オフのマリナーズ(岩隈久志、川崎宗則)以来13年ぶりとなる。ともに投手なら09年オフのメッツ(高橋尚成、五十嵐亮太)以来。06年オフのレッドソックスは松坂大輔、岡島秀樹を獲得し、主戦先発とセットアッパーでともにフル回転し、07年のワールドシリーズ制覇に大きく貢献した。