今日W杯アジア最終予選…森保Jは監督交替で「情報ゼロ」の中国から勝ち点3を奪えるのか?
頑固さを持ちあわせる森保監督の性格を考えれば、第3戦までの4-2-3-1ではなく3連勝をマークした第4戦以降の4-3-3で中国戦にも臨んでくるだろう。 負傷欠場する吉田と冨安を除けば、おそらく先発メンバーも変えない。最終ラインの顔ぶれにしても、指揮官は「代わりに入る選手ではなく、この状況で出場する力を持った選手がピッチに立ってくれる」と、谷口彰悟(30・川崎フロンターレ)や板倉滉(25・シャルケ)ら4人のセンターバックへ期待を込めた。 その上で中国が攻勢に出てくるのであれば、相手の最終ラインの背後にスペースが生じる可能性が膨らむ。前回対戦時には招集されていなかった韋駄天ストライカーがジョーカーとして放つ存在感が、必然的にひときわ大きくなってくる。 22日のメンバー発表会見で森保監督からゴールを期待されたFW前田大然(24・セルティック)は、遠藤らに続いて対応したオンライン取材で、新天地でのデビュー戦の開始わずか4分でゴールを決めた流れを代表にも持ち込みたいと力を込めた。 「最初の試合が大事だと自分のなかでも感じていた。上手く行きすぎたと思うけど、自信を持って(代表に)きたので頑張りたい。自分の特徴は知ってもらっていると思うけど、ゴール以上にチームが勝つことが大事だと思っているので」 主導権を握りながらも前回同様に攻めあぐねる展開が続けば、ホームで負けた借りを返した昨年11月のオマーン戦のように、後半から4-2-3-1に変える手もある。 オマーン戦で流れを一変させたドリブラー、MF三笘薫(24・ユニオン・サンジロワーズ)も負傷で今シリーズでは選外になった。それでも4-2-3-1のトップ下を担える久保建英(20・マジョルカ)、1トップだけでなく左MFでも50mを5秒8で走破するスピードを生かせる前田と攻撃の流れを変えられる選手はそろっている。 「あまり選択肢を伝えすぎると、選手たちが思い切ったプレーができなくなる。中国の守備戦術に臨機応変に対応できるように、選手たちは考えながらプレーしてほしい」 選手たちを信頼しているからこそ、森保監督は必要最低限の情報伝達にとどめたいとも語った。勝ち点3だけが求められる一戦へ。前回対戦時と違って中国が果敢に前へ出てきたとしても、慌てることなく対処できるシナリオもできあがっている。 (文責・藤江直人/スポーツライター)