<挑む・’24センバツ>戦力分析/中 八戸学院光星 投手力、走力に自信 強打のイメージ覆す /岩手
八戸学院光星(青森)は、8強入りした昨夏の全国選手権で活躍した3人がチームを引っ張る。1997年のセンバツ初出場を皮切りに、これまで甲子園に22回出場。「強打の光星」として全国に知られるようになったが、今年は力のある投手陣に加えて走力のある選手がそろう。選手たちは「新たな光星野球を見せる」と意気込んでいる。 【写真で見る歓喜の瞬間】歴代のセンバツ覇者たち 1年の夏から甲子園で経験を積んだ左腕・洗平比呂(2年)が、チームの大黒柱。昨夏は初戦の2回戦で明桜(秋田)を完封し、全3試合に登板した。秋の東北大会も準々決勝、準決勝で完投勝利を収めた。140キロ台後半の伸びのある速球と、切れの良いスライダーが持ち味。落ち着いたマウンドさばきに、エースの貫禄が漂う。 同じく左投げの岡本琉奨(2年)も、夏の甲子園で好投した。150キロ近い力のある速球は、ひときわ目を引く。昨秋は、これも左腕の森田智晴(同)が投手陣に厚みを加えた。県大会、東北大会で6試合に登板。25回を投げてわずか2失点と、抜群の安定感を示した。捕手の仲里蓮(同)は配球にたけ、献身的に投手を支えるタイプ。強肩の住本悠哉(同)は、打力も高い。 野手ではただ一人、甲子園を経験した砂子田陽士(同)が主将を務める。昨夏はリードオフマンとして打線をけん引した。思い切りのいいバッティングと俊足が魅力だ。秋に1番で起用された竹田智紀(同)は小柄ながらパンチ力がある。砂子田、竹田と共に打線の上位を担った渡部主衣(同)は足が速く、対応力の高い好打者だ。 4番の山本優大(同)を筆頭に、三上祥司(同)、小笠原由宇(同)ら力のある打者が並ぶ。佐藤凌(同)をはじめ下位にも機動力を使える選手がおり、攻撃のバリエーションは豊富。従来の強打のイメージを覆す可能性を秘めている。 昨秋の東北大会決勝では青森山田に無安打無得点で敗れた。投手陣に比べて野手の経験が浅く成長途上のチームだ。だからこそ、「ピッチャー陣に信頼してもらえるよう野手が頑張れば、もっと高いレベルに行ける」と砂子田。冬の鍛錬の成果を大舞台で示す。【藤倉聡子】