【福岡ボート・ルーキーS】原田才一郎が地元初Vを達成
福岡ボートのルーキーシリーズ第18戦「スカパー!JLC杯」(優勝賞金80万円)は最終日の10日、12Rで優勝戦を争い、1号艇の原田才一郎(28)=福岡=が人気に応えてイン逃げで快勝。2着は4号艇松本純平、3着は2号艇佐々木翔斗で、2連単、3連単ともに人気サイドでの決着に終わった。原田はこれが通算4回目、今年は初で、福岡も初Vとなった。
別格のエンジンパワーで他艇を圧倒
力の違いを見せつけた。今節のシリーズリーダー原田才一郎が最後も圧倒的な支持に応えて、ゼロ台のSから堂々の押し切り勝ち。「やっぱり地元での優勝は格別。今までで一番うれしい」。オーバーエージの実力者が、ドリーム戦勝利、予選1位通過、優勝戦1号艇からの王道Vとシリーズを完璧な取り口で最後まで主役を務め上げた。 決定打は序盤から飛び抜けていたエンジンパワー。「地元三場(福岡、若松、芦屋)の中でも福岡は一番調整が合う。最後も完璧な足をしていました」。当地では常に快速仕立てだが、今回も〝超〟伸び型のプロペラがフィットして、機力は誰もが一目置くほど。残る優出メンバーの全員が、「原田さんは別格」とかぶとを脱ぐ状況で、ポールポジションからゼロ台のSを踏み込まれてはなすすべがなかった。
「達也さんみたいに背中で見せていきたい」
今節に懸けていた。「これ以上、地元で情けない姿を見せたくなかった」。7月の若松ルーキーシリーズでは優勝戦1号艇を勝ち取りながら敗戦。直前の芦屋でも準優1号艇で敗れていたこともあり、まさに〝三度目の正直〟だった。それだけではない。今節の2日目だった6日は2年前にレース中の事故で急逝した中田達也さんの命日。在りし日の強い先輩の姿を忘れるわけはなかった。「自分がB2の時から一番かわいがってもらっていました。福岡のルーキー戦で達也さんが優勝した時も一緒にいて、背中で見せてくれていた。だから同じレースを優勝したいと、ずっと思っていて達成できたのが心の底からうれしい」 福岡支部はボートレースの黎明(れいめい)期からスターレーサーを輩出。特に4000番台は新鋭世代に実力者がひしめき、ルーキーシリーズは旧新鋭リーグ時代から〝新鋭王国〟の名をほしいままにしてきた。だからこそ5000番台の現状に危機感を抱いている。「他支部と比べたら福岡の5000番台は、ただ数が多いだけになってしまっている。強い福岡の伝統を引き継ぐためにも、今度は自分が達也さんみたいに背中で見せていきたい」。福岡の次世代エースとして、地元で味わったこの格別の優勝を急成長の起爆剤に大きく羽ばたいてみせる。(森 大輔)