「成長しなきゃ」「頑張っても報われない」ワーママを追い詰める状況 すぐには変わらなくても
産休前に比べて評価が下がり、落ち込んでいたナナセ。「マミートラックにはのるまい」と思っていたのに――。マンガ「夫は成長教に入信している」を描いた紀野しずくさん（原作）・北見雨氷さん（作画）が、子育てしながら働く女性「ワーママ」を主人公に、「〝ワーママ〟は成長教に入信している」を描きました。4回連載の最終回です。 【第1話から一気読み】育休中、リスキリングに追われ…「ワーママは成長教に入信している」
すぐに結果は出ないかもしれないけれど…
産休前に比べて査定が落ちてしまい、同僚からも「配慮させてもらった上に昇格させてほしいって？」と言われてしまった秋野ナナセ。 「マミートラックには乗るまい」と自分を鼓舞し、育休中にリスキリングに取り組み、仕事を持ち帰って頑張っていたのに報われない……と落ち込みます。 自動販売機の前で上司とすれ違うと、「何飲むの？」と言ってあたたかい飲み物をごちそうしてもらいます。 上司は「お母さんやりながら会社員は大変だろう。すぐには結果が出ないかもしれないが、くじけなさんなよ」と言って去っていきます。 席に戻ると、「今度ランチに行こう」とメッセージが書かれたお菓子が。同僚も、落ち込んだナナセを心配してくれていたようでした。 その日、保育園へ迎えにいくと、満面の笑みになった娘のココロが抱きついてきました。 大丈夫、認めてくれる人はいる――。そう感じ、少しホッとしたナナセなのでした。
世界がこんなに優しかったらいいのに
マンガ「ワーママは成長教に入信している」原作者の紀野しずくさんは、次のように語ります。 今すぐ成果を出して誰かに認められたい――。 復帰直後は、育児しながら働くという新しい環境に慣れるのに必死でオーバーワークになりがちです。 それに、「頑張っているぶん周りに認めてもらいたい」という気持ちが強すぎて、抱え込んでしまいがちにもなります。 そんな中でも、努力は誰かがきっと見てくれる。世界がこんなに優しかったらいいのになぁという想いを込めて描きました。 働くお母さんが「結果を出さなきゃ」「成長しなければ」と追い詰められてしまう、そんな状況はすぐには変わらないかもしれません。 でも、希望は少しだけある…。私は甘いものや温かいものを体内に入れると心が癒されることが多いです。 このマンガを読んだ人が、「もう少しゆっくりでも大丈夫」と思えますように。 ＜原作：紀野しずく（きの・しずく） 北海道生まれ。マンガ原作者。noteで連載していた成長教をきっかけに、コミックDAYSにて「夫は成長教に入信している」を連載（https://amzn.to/3UeUHzc）する。Xアカウントはhttps://twitter.com/kino12kino3＞ ＜作画：北見雨氷（きたみ・うひょう） 北海道生まれ。北海道で教員をする傍ら、漫画制作を行う。コミックゼノン第二回一芸突破漫画オーディション「父のあかり」でデビュー。2021年に教員を退職し、本格的な創作活動に入る。代表作「夫は成長教に入信している」で作画担当＞
