『黙秘します』勝田州彦容疑者、殺人容疑で逮捕 17年経ち急展開、加古川女児殺害「検挙への使命感」
兵庫県加古川市で2007年10月、小学2年の女児(当時7歳)が刃物で刺され殺害された事件で、兵庫県警・加古川署捜査本部は27日、別の女児殺害事件で逮捕された勝田州彦容疑者(45)を殺人容疑で再逮捕した。 遺族、17年の思い… 「黙秘します」と話しているという。 勝田容疑者は2007年10月16日午後6時ごろ、加古川市別府町新野辺にあった女児の自宅前の路地で、女児の胸や腹をナイフで刺し、失血死させた疑いが持たれている。 兵庫県警は11月7日、同県たつの市で2006年、小学4年の女児(当時9歳)を刃物で刺して重傷を負わせたとして、勝田容疑者を殺人未遂容疑で逮捕していた。 ■一瞬の犯行、物証少なく… 兵庫県警の柱谷昌彦・捜査第一課長は加古川署で開いた会見で、「一瞬のうちになされた犯行、物証少なく困難を極めた」と話した。 そして、凶器を片刃ナイフの薄刃である可能性が高いとした。その根拠として、被害者の損傷形態と刃物の形状に矛盾がないことを挙げた。 現時点では、刃物は見つかっていないという。 ■傷は心臓まで達した 2007年10月16日、午後6時過ぎ、「7歳の女の子が胸を刺されている」との119番通報があった。 当時7歳の女児は近所の公園から自転車で帰宅。自宅の裏に自転車を置き、玄関に戻るまでのわずかな時間で何者かに胸などを刺されて死亡したという。 女児の悲鳴を聞いた在宅中の祖母が玄関先で発見。その際、女児は立ったまま、服が血で染まっていたという。 女児の死因は、左胸を刺されたことによる失血死で、傷は心臓まで達しており、これが致命傷となった。 捜査本部は、女児の負傷状況など総合的に鑑みて殺意を認定した。 捜査関係者によると、勝田容疑者と女児は面識がなかったという認識だが、今後はその真偽も調べるという。 ■任意聴取では認めていたが…一転黙秘に 犯行当時、勝田容疑者は女児の自宅から北東に5~6キロ離れた場所に居住し、土地勘があったとみられる。たつのの事件と犯行手口が酷似しており、今年5月からの任意聴取で、たつの、加古川両事件への関与を認めていた。 捜査本部は、客観的な状況と矛盾がないことから、勝田容疑者の供述の信用性は高いと判断し、逮捕状を取った。 幼い命が奪われ、犯人逮捕まで17年という年月を要した。発生から今年10月までに568件の情報を受理し、のべ5万4260人の捜査員を投入した。 ■「絶対に風化させてはならぬ。何年経っても、必ず検挙する使命感で」捜査第一課長の思い 柱谷捜査第一課長は、事件発生から1年半後の2009年春から2年間、加古川署の刑事第一課長としての勤務経験があった。こうしたことも踏まえ、「ご遺族をはじめ、関係者への度重なる聴取により不快な気持ちを強いることになったのは申し訳ない気持ちだったが、皆様のおかげで逮捕に結びついた。結果としてご遺族の無念、不安を晴らすことができ、地域住民にとっても不安を解消し、安心して生活できる環境とするために、絶対に風化させてはならない事件であり、何年経っても、必ず検挙する使命感で全力で捜査に当たってきた。被害者のご冥福を祈り、全容解明を進めたい」と話した。 勝田容疑者が黙秘に転じたことにより、任意聴取での供述の信用性が、公判で大きな影響を与えるため、捜査本部は慎重に裏付け捜査を進め、動機などの詳細を詰める。 勝田容疑者は、2004年に岡山県津山市の住宅で小学3年の女児(当時9歳)を殺害したとして、2018年に殺人容疑で逮捕、起訴され、昨年(2023年)年9月に無期懲役の判決が確定し、服役中だった。
ラジオ関西