<私の恩人>CMで話題の赤井英和、ボクサー時代の忘れらない恩師
トレーニングジムのCMで、“浪速のロッキー”と呼ばれたボクサー時代を思わせる鍛え上げられたボディーを披露し、話題になっている赤井英和さん(55)。司会を務める朝日放送「ごきげん!ブランニュ」では30年ぶりにボクシングの試合にもチャレンジし、今もなお、前へ前へと突き進む赤井さんですが、常に心にあるのは伝説的名トレーナーの言葉だと言います。 僕の恩人となりますと、やっぱり、エディ・タウンゼントさんです。 去年から今年にかけてはCMもあったし、「ごきげん!ブランニュ」の企画で試合をやるということもあり、久しぶりに体をいじめました。 何年ぶりかにロードワークにも出ましたけど、エライもんですね、前を走ってるオッチャンがいたら「追い抜いたる!!」となるんです(笑)。全然知らんオッチャンなんですよ。それでも、1人抜いて、また次のオッチャンがいたら「次はあの人や!!」となる。久々に、エディさんと一緒に「強くなりたい!!」とただただ思っていた頃に戻った気がしました。 エディさんとの出会いは、1979年、モスクワオリンピックの前でした。日本ボクシング連盟から依頼されて特別コーチとして強化選手の指導に来てくださったのがエディさんやったんです。まずビックリしました。メチャメチャ、フレンドリーなんです。優しいんです。 正直、今から30数年前といえば、竹刀を持って、怒鳴って教えるというのが当たり前の時代やったんです。なのに、エディさんはとにかく褒めてくださるんです。いいパンチが入ったら「ナイスパンチ!!」と実にうれしそうにおっしゃる。そうすると、また褒めてもらいたい、喜んでもらいたいと思って、力が出てくるんです。衝撃でした。そして、自分がプロになった時、どうしてもエディさんに教えていただきたいと思って、ジムの会長にお願いして来ていただくことになったんです。 ボクシングのトレーニングというのは、ほとんど1人でするもんばっかりなんです。サンドバッグしかり、シャドーボクシングしかり、縄跳びしかり、ロードワークしかり。唯一、トレーナーとガッチリ一緒にやるのがトレーナーがミットを持ってのミット打ちなんです。トレーニングですから、もちろんしんどい。つらい。口から胃袋が出そうになる。そんな中でも、エディさんに「カモン、アカイ!!」と言われると、バババッとパンチが打てるんです。今でも不思議に思いますけどね、なんでそんなことになるのか。でも、そんなことを引き出してくれる先生やったんです。