借金2500万円を背負った23歳「人生やるか、やらんか」ラーメン「道場」を激戦区に開店「『既存のルート』に囚われない人生の選択肢を若者に示す」自らが体現
■ラーメン店の倒産過去最多 2500万円の借金で都会の真ん中に店を構えた23歳
小麦や、光熱費の高騰により、苦境を強いられるラーメン業界。 東京商工リサーチによると、去年、倒産や休廃業に追い込まれたラーメン店はあわせて74件と過去最多に上った。 【動画で見る】若武者ラーメン「道場」借金2500万円「人生やるか、やらんか。やらんと見えない景色がある。限られた選択肢に囚われなくていい」体現する23歳の挑戦 そんな逆風の中、都会の真ん中に2500万円の借金をしょい込んで、ラーメン店を開いた若者がいる。 「家賃90万円、いろんな人に話せば話すほど、あほやなしか言われへん」と語る23歳の西奈槻さんだ。
西さんは、麻婆豆腐ラーメンが名物のラーメン店「すするか、すすらんか」を2020年から奈良で経営。 先月、テナントが目まぐるしく入れ替わる激戦区、大阪・心斎橋に2店舗目を出すことを決断した。 リスクを背負ってでも、勝負に出た理由がある。
■高校や大学といった「既存のルート」に囚われない人生の選択肢を見いだせる「道場」をつくる
【西奈槻さん】「ラーメン屋で日本一とか世界一を獲りたいっていうところがビジョンではないんです。日本には、学校以外の自分の『人生の選択肢を広げる環境』ってほんと少ないと思うんですよ。だから、ラーメン屋っていう手段ですけど、スタッフやお客さん、ここに集う若者が、色んなことを感じ取って、自分の人生の選択肢を広げられる『道場』みたいな場所をつくりたいんです」 心斎橋の店を若者が、高校や大学といった「既存のルート」に囚われない人生の選択肢を見いだせる「道場」にしたいというのだ。 こうした思いに至った背景には、限られた選択肢に囚われず、自らの意思で歩みを進めてきた彼自身の人生の過程がある。
■高校の時に経験した挫折
「人の心を動かす人生を歩みたい」西さんは、幼いころから人生の軸を決めていた。 小学生の時、ドラムの魅力にとりつかれる。 ひたすらスティックを握りドラムを叩く日々。高校生で、プロも所属しているマーチングバンドに最年少で合格。 「音楽で人の心を動かす」プロドラマーになることが目標となった。 さらに腕を高めようと、世界一を獲ったチームのオーディションを受けるべく、渡米。 そこで心境の変化が生まれたと言う。 「周りのレベルの高さに圧倒されました。挫折ですね。上には上がいる。僕は、音楽とは別の世界で人の心を動かした方がいいのではないかと悩んだ」 失意のまま帰国。 ドラムに代わる「人の心を動かせるもの」を見つけるため、翌年近畿大学に進学した。
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