借金2500万円を背負った23歳「人生やるか、やらんか」ラーメン「道場」を激戦区に開店「『既存のルート』に囚われない人生の選択肢を若者に示す」自らが体現
■「起業」を志す若者を支援する「居場所」を作るため会社設立
近大がしてくれたように、今度は、自分たちが「起業」を志す若者を支援する「居場所」を作りたいとおととし4月には、「株式会社やるかやらんか」を設立。 「Z世代」向けのサービスを提供する会社のコンサル業務も手がけるようになった。
■さらなる投資のための原資が足りない
さらに、「東京一極集中では、日本は発展しない。地方に住む若者の活力を生みたい」と、 ことし1月人口が8000人ほどの広島県神石高原町と空き家を再生し、若手の起業家が集まる拠点を作るための協定を結んだ。 しかし、奈良の店やラーメン以外の会社の事業では、さらなる投資のための原資が足りず、「若者に人生の選択肢を示す」ことはまだまだできないと感じていた。
■月の売り上げが500万円を下回れば赤字
そこで決めたのが、心斎橋店の開業だ。 家賃は、奈良のおよそ10倍。 店の売上と人件費を含む費用が同額となる損益分岐点は、500万円。 つまり、月の売上が500万円を超えなければ赤字だ。 【西奈槻さん】「やらないとわからない。やるか、やらんかで『やる』を選択して成功した人が日本を作っていると思うんです」
■オープン初日 来客数は目標に届かず
「無謀だ」と周囲から言われても、自分の意志で道を選択し、成功する姿をスタッフやお客さんの前で見せるべく都会の真ん中につくったラーメン「道場」。 2月下旬のオープン初日、インスタグラムを活用した広報戦略がはまり店前には行列ができ、昼時には40席の店内が満席となった。 ラーメンだけでなく地元奈良の産業も盛り上げたいと仕入れた地ビールも好評で、サイドメニューや、お酒で戦略的に売り上げを積み上げた。 その結果、初日の売り上げは、52万円に上ったが、客は232人と目標の300人には届かなかった。
■借金でできた宝物
閉店後の深夜1時半。 起業の道を選び、3年半ともに歩んできた盟友、奥野さんと店内の片づけをしながら語り合う西さんの姿があった。 【奥野さん】「今日がめでたい日ということを忘れてしまっていた自分がいて、マジで俺らにとってはめでたい日であることは間違いないからね。宝物やね。俺らの夢に一番近づけることが始まったタイミングやから」 【西さん】「2500万円の借金でできた宝物(笑)」 【奥野さん】「宝物借金で払ってもうた。まぁ頑張りましょう」 【西さん】「頑張ろう」
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