平昌五輪が閉幕──冬の帝国覇権争い、漢字文化圏の勃興、小平選手の行動
漢字文化圏の勃興
端的にいえば、夏のオリンピックは黒人選手の活躍が目立つように、冬のオリンピックは白人選手の牙城である。 その中で日本は、雪系も氷系も結構がんばっているのだ。 これは北海道から沖縄まで南北にわたり、また山の多い多様な風土であることとともに、ヨーロッパ文化としてのスキーやスケートをいち早く取り入れたことを示す。また韓国はスケートのショートトラックに強く、近年は中国も各種目で活躍している。 次の冬季五輪は北京である。 その次は再び札幌に招致するという話がある。アジアでは、札幌(1940年、戦争で中止)、札幌(1972年)、長野(1998年)、平昌(2018年)、北京(2022年)、札幌(2026年大会の招致表明・開催地は未定)とつづく。こういった漢字文化圏が会場となり、どこまで強みを発揮するかは、数世紀にわたるヨーロッパの覇権に対する意味で、それなりの意義がある。 漢字文化圏はアルファベット圏に比べて圧倒的にマイナーである。できる限り協力すべきであり、その意味で小平奈緒選手の行動は気持ちのいいものであった。本来の目的はメダルではなく参加と交流なのだ。 地政学や帝国の話はさておき、冬のオリンピックには、冬の詩があり、白の美学がある。日本の文化力はそこにコミットしたい。