終わりなき価格競争から「地獄のスパイラル」に陥るケースも…戦略的に経営課題を解決するための「3C分析」とは【経営コンサルタントが解説】
「4つの戦略」の具体例
私の顧問先(ガソリンスタンド特約店)の事例を見てみましょう。 (1) 強みとチャンスの掛け合わせ(強化戦略):強みを活かしてチャンスを最大限に利用する戦略。整備力の強みがあるスタンドが、競合である整備工場の減少をチャンスと捉え、車検や鈑金を強化していく。 (2) 弱みとチャンスの掛け合わせ(克服戦略):弱みを克服してチャンスを利用する戦略。営業力が弱いが、研修を通じて営業力を強化していくことでシェアアップを図る。 (3) 強みと脅威の掛け合わせ(防御戦略):強みを活かして脅威に対抗する戦略。ガソリン需要が減少するピンチを、強みである立地と店舗網を生かしレンタカー事業に参入する。 (4) 弱みと脅威の掛け合わせ(撤退戦略):弱みがある分野から撤退し、リソースを他の分野に集中する戦略。売れない拠点を閉鎖し、既存店舗や新規事業に人と金を再分配する。 このように、自社の強みと弱みを理解し、(1)~(4)の戦略を立てることで、成功確率の高い戦略を練ることが可能となります。
3C分析で戦略的に経営を考えよう
3C分析は、顧客、競合、自社の3つの要素を正しく組み合わせて経営戦略を立てることができる有効な戦略思考の1つの手法です。 戦略なき価格競争は組織を疲弊させます。持続的に組織を成長発展させるために、一度、戦略的に経営を考えてみるとよいでしょう。 石原 尚幸 株式会社プレジデンツビジョン 代表取締役
石原 尚幸