スペースXが米国ミサイル防衛局と米国宇宙開発庁の衛星打ち上げに成功 ミサイルの探知や追尾に使用
スペースXは日本時間2024年2月15日、同社の「ファルコン9」ロケットによる打ち上げミッション「USSF-124」を実施しました。USSF-124は米国宇宙軍の宇宙システムコマンドがスペースXと共同で行ったミッションで、米国ミサイル防衛局(MDA)の衛星2機と米国宇宙開発庁(SDA)の衛星4機を打ち上げることに成功しました。 直近のロケット打ち上げ情報リスト 6機の衛星を搭載したファルコン9は、日本時間2024年2月15日7時30分(米国東部標準時2024年2月14日17時30分)に米国フロリダ州のケープカナベラル宇宙軍基地第40発射施設から打ち上げられました。宇宙システムコマンドによると、衛星は予定した軌道へ投入されたということです。 ファルコン9の第1段機体は今回が7回目の使用で、発射約8分後に基地内の着陸エリアへ帰還しました。今回使用された第1段機体は2023年3月2日に実施された国際宇宙ステーション(ISS)への有人飛行ミッション「Crew-6」で初飛行して以来、2023年4月28日に実施された通信衛星「O3b mPower 3&4」の打ち上げ、4回のスターリンクミッションで使用されてきました。
今回のミッションで打ち上げられたのは、MDAの「極超音速・弾道ミサイル追跡宇宙センサー(Hypersonic and Ballistic Tracking Space Sensor:HBTSS)」プロトタイプ衛星2機と、SDAの衛星コンステレーションである拡散型戦闘宇宙アーキテクチャ(Proliferated Warfighter Space Architecture、PWSA)の「Tranche 0 Tracking Layer」を構成するプロトタイプ衛星4機です。 HBTSS衛星はMDA、米国宇宙軍、SDAが共同開発したもので、弾道ミサイルや極超音速ミサイルなどの探知・追尾を目的とします。SDAによると、MDAのHBTSS実証プログラムを通して開発されたミサイル防衛能力は、SDAのPWSAコンステレーションに情報を提供し、極超音速飛行物体や弾道ミサイルなどを探知することでミサイル防衛兵器などにデータの提供を行うということです。なお、MDAのHBTSS衛星実証プログラムは2018年にスタートし、2021年にプロトタイプの詳細設計審査(クリティカル・デザイン・レビュー)が完了しました。