スペースXが米国ミサイル防衛局と米国宇宙開発庁の衛星打ち上げに成功 ミサイルの探知や追尾に使用
SDAのPWSAコンステレーションは、全世界で低遅延かつ大容量の通信を支援する「Transport Layer(トランスポート・レイヤー)」と極超音速兵器や弾道ミサイルを探知・追跡する「Trachking Layer(トラッキング・レイヤー)」の2タイプがあります。USSF-124で打ち上げられた衛星は、トラッキング・レイヤーのプロトタイプである「Tranche 0」を構築します。Tranche 0は28機の衛星で構成され、2023年に米国カルフォルニア州のヴァンデンバーグ宇宙軍基地から順次打ち上げられており、今回の打ち上げはTranche 0にとって最後の打ち上げとなります。 SDAのデレック・トゥルナー(Derek Tourner)長官は「SDAの衛星をMDAのHBTSS衛星と同じ軌道に打ち上げることは両機関にとって成功である。同時刻に同じ軌道から試験ターゲットを観測することができるので、2つのセンサーがどのように機能するかを見ることができる」とコメントしています。 また、米宇宙軍の宇宙システムコマンドに所属するAssured Access to Space(AATS)ミッションディレクターのウォルト・ローダーデール(Walt Lauderdale)氏は「ミッションチームはTranche 0衛星を打ち上げ予定日から6か月かからず、30日以内にUSSF-124に追加した。前例のない即応性は米国宇宙軍が今日の脅威的な環境に対抗するために必要な能力である」とコメントしています。 MDAによると、今回打ち上げられたプロトタイプの衛星は2年間の軌道上試験を行うため、MDAとSDAのエンジニアは今後数週間、他システムとの運用や通信を確認・試験するということです。 なお、USSF-124は国家安全保障宇宙打ち上げ(National Security Space Launch:NSSL)プログラムのもとで契約・調達された8回目の打ち上げミッションです。 Source SpaceX - USSF-124 MISSION Space System Command - Space Systems Command successfully launches six satellites for Missile Defense Agency and Space Development Agency on SpaceX Falcon 9 rocket Space System Command - Space Systems Command Prepares to Launch Missile Warning Satellites for the Missile Defense Agency and Space Development Agency MDA - MDA, SDA Confirm Successful Launch Of The Hypersonic And Ballistic Tracking Space Sensor And Tranche 0 Satellites Space Development Agency - SDA, MDA ANNOUNCE UPCOMING LAUNCH OF THE TRANCHE 0 TRACKING AND HYPERSONIC AND BALLISTIC TRACKING SPACE SENSOR AND SATELLITES Space Development Agency - Tranche 0 L3Harris - US Department of Defence Launches L3Harries Missile Tracking Satellite Northrop Grumman - 極超音速・弾道ミサイル追跡宇宙センサー、クリティカル・デザイン・レビューを完了 Everyday Astronaut - USSF-124 | Falcon 9 Block 5
出口隼詩