「2022年、うつ病になって『死ぬな!』を作った」こっちのけんと 2ndシングルに込めた思いを明かす
アーティストの「こっちのけんと」がパーソナリティをつとめるTOKYO FMの新ラジオ番組「G-SHOCK presents THE MOMENT」(毎週金曜17:00~17:25)。さまざまなゲストをお迎えし、生まれてからこれまでの時間のなかで、人の心に刻まれている「人生が変わった瞬間」=“MOMENT”を探ります。 10月11日(金)の放送では、2022年12月にリリースした楽曲「死ぬな!」制作裏話を語りました。
◆2ndシングル「死ぬな!」制作秘話
この番組では、こっちのけんとが、その人の人生を変えた瞬間(モーメント)や、影響を受けた瞬間を切り取っていきます。 前回の放送では、こっちのけんとの実兄・菅田将暉との関係性や、人生の転機となった大学時代のアカペラ全国大会のエピソードを語りました。 今回の放送も、前回に引き続き続き、こっちのけんとの人生の転機に迫りました。 まず取り上げたモーメントは、「2022年、うつ病になって『死ぬな!』を作った」です。 こっちのけんとは大学卒業後にサラリーマンとして勤務しましたが、2020年頃にうつ病を患いました。 療養中、音楽活動をおこなうなか、2022年に大学のアカペラサークルの先輩から声がかったときのことを振り返り、「『いま私はレーベルで仕事をしているんだけど、うちのレーベルで曲を作って出してみない?』と言われたんです。そんなありがたい話があるんだって思いました」と胸中を明かします。 総合エンターテインメント企業「blowout Inc.」に所属したこっちのけんとは、同年8月に自身初となる配信楽曲「Tiny」をリリースし、ミュージックビデオを公開します。 その一方で、当時はまだ、こっちのけんととしての音楽の方向性が見つかっていない時期でもありました。 「単純に自分の兄弟を題材にした楽曲を作っていたのですが、その先輩と話しながら『曲としては良いし、感動もできるけど、なんかちょっと違うかもな』というところもあって」 そのようななか、先輩から「けんとはうつ病のこともあったけど、普段から死生観、生きること・死ぬことについて考えているよね。それを曲にしてみてはどうか」という提言を受け、セカンドシングル「死ぬな!」の制作をスタートさせます。 楽曲制作では、うつ病で苦しんでいた当時のメモが大いに役立ったと言い、「自分の“裏”の部分をずっとメモにしていたので、それを引っ張り出しました。でも、当時はタイトルも決まらないし、この曲の主人公的な言葉も見つからなかったんです」と振り返ります。 そのようななか、久々に父親と会うことになり、父から「今、歌の仕事をしているのもすごいけど、正直、サラリーマンとして3年ぐらいは勤めてほしかったな。でも、生きていて良かった。これからも死ぬなよ!」という言葉をかけてもらったことを明かします。 「僕のなかでは、その『死ぬな』という言葉に安心して。今までうちの父って、受験や就活で生きることの選択肢のハードルを、どんどん上げてくるというか。それで『生きるのが難しいな』って思っちゃったんですけど、『死ぬな』っていうことなら、めちゃくちゃ簡単じゃん!と思って。それで自分は救われたんですよね」と語り、セカンドシングルの楽曲タイトルを「死ぬな!」に決定したときのことを振り返りました。 同楽曲リリース後に大きな反響があり、こっちのけんとのもとには、同じ状況の人からの「救われました」「ありがとう」など、さまざまな感謝の言葉が寄せられたそうです。 「うつ病だった自分が音楽によって昇華されたというか。“曲にできた!”という自分のなかの発散が叶ったことは、僕にとって大切なモーメントとして刻まれています」と語りました。 (TOKYO FM「G-SHOCK presents THE MOMENT」2024年10月11日(金)放送より)