【玉田圭司×名良橋晃|元日本代表が語り合う高校サッカー】昌平で重要視するのは「ちゃんと楽しんでやれているかな?」。影響を受けた名将の指導からは“愛”を感じていた(後編)
ベースは「楽しむ」。そのなかで成長する
ワールドカップにも出場した元日本代表の玉田圭司が、昌平を率いてインターハイ制覇。しかも監督就任からわずか4か月で、チームにとっては初の全国優勝という箔もついて――。 【画像】堀北・ガッキー・広瀬姉妹! 初代から最新19代目の藤﨑ゆみあまで「歴代応援マネージャー」を一挙公開! 新指揮官の玉田監督は、いったいどんな指導で昌平を日本一に導いたのか。小さくない興味をしっかりと深掘りするべく、インタビュアーを担当してもらったのは、同じくワールドカップを経験した元日本代表の名良橋晃氏。解説者のなかでも屈指の高校サッカー通で、インターハイも現地取材している、打ってつけの聞き手だろう。 世界を知るワールドカップ戦士によるスペシャル対談企画、元日本代表が語り合う高校サッカー。後編のテーマは、玉田監督の指導論だ。昌平で重要視しているのは、選手がサッカーを楽しめているかどうか。その考えを形作ったのは自身が師事した監督たちで、影響を受けた名将からは“愛”を感じていたという。 ――◆――◆―― 名良橋 ここからは玉田監督の指導論を深掘りしていきたいのですが、選手にサッカーを教える時に意識していることはありますか? 玉田 まずは「ちゃんと楽しんでやれているかな?」という点をすごく見ていますね。 名良橋 チームよりも、選手個人が? 玉田 そうです。チーム全体のマネジメントも、もちろん重要ですけど、選手一人ひとりが伸び伸びとサッカーをしながら成長する姿を見られるのが、一番大事だと思っていて。そのうえでチームの勝利があると僕は考えています。なので、ベースは「楽しむ」。そのなかで成長する。この考えを基本に今のところは上手くやれています。 名良橋 でも、スタメン、トップチームがいる一方で、下のカテゴリーの選手のモチベーション維持も難しいのかなと思いますが、選手からの視線、もしくは気持ちを何か感じ取る時はありますか? 玉田 多少はあります。ただ、高校サッカーのプレーヤーは高校生だとしても、プロ選手と同じ感覚で見ている部分も、僕の場合はあります。そう考えると、プロでは選手全員が100パーセント満足することはできないじゃないですか。 名良橋 もちろん、そうですね。僕も現役時代はそうでした。 玉田 なので、選手には理解してもらわないといけない部分もあると思っています。良い選手をトップチームに昇格させている一方、上のカテゴリーに上がれない、もしくは出場機会が少ない、途中交代など、いろんな不満はあるでしょうけど、仕方がない部分もある。
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