【追悼】中川李枝子さん『子どもは、 あなたが思う以上に“お母さん”のことが大好きよ』|VERY
❝育児のルールだって時代で変化する。お母さんは、幸せで健康なのが一番❞
いまは子育てに関する情報が溢れています。何が正解なのか、悩んでしまう人も多いわよね。上の世代からのアドバイスには、経験者ならではの一家言もあるけれど、都合のいい部分だけ聞いて、納得のいかないことは聞き流したっていいと思うの。少なくとも私はそうしてた(笑)。子どもが泣いていたらすぐに抱っこするのがいいとか、抱き癖がつくからダメとか、時代や人によって育児のやり方には流行があるでしょう。「こうするべき」という育児のスタンダードが変わっていく様も見てきた。子育てしながら仕事するのも、私は自分がやりたいから続ける、ただそれだけでした。働いたほうがいいとか、専業主婦のほうがいいとか世の中の声は気にする必要はない。結局本人がしたいようにするのが一番なのよ。ただし、毎日頑張っているお母さんは、子どもの世話を優先して自分のことを後回しにしてしまいがち。とにかくきちんと健康診断を受けて、といつも言っています。子どもにとってはお母さんが毎日元気で幸せなのが何よりなんだから。
〈Profile〉
⚫︎中川李枝子さん⚫︎ 作家。1935年札幌生まれ。東京都立高等保母学院卒業後、「みどり保育園」の主任保母となり、以来17年間勤務。仕事と育児のかたわら、1962年に出版した『いやいやえん』(福音館書店)で絵本作家デビュー。厚生大臣賞、NHK児童文学奨励賞、サンケイ児童出版文化賞、野間児童文芸賞推奨作品賞を受賞。翌年刊行された『ぐりとぐら』(福音館書店)はその後世界的なベストセラーシリーズとなり、現在まで10カ国語に翻訳されている。 撮影/須藤敬一 取材・文/髙田翔子 編集/引田沙羅 *『VERY』2018年7月号「『ぐりとぐら』『子どもはみんな問題児。』の中川李枝子さんにインタビュー 子どもは、あなたが思う以上に“お母さん”のことが大好きよ」より。 *掲載中の情報は誌面掲載時のものです。