自民総裁選の党員投票、「18歳以上」に引き下げで調整…党費納入の要件も改正へ
自民党は、党総裁選の党員投票で「20歳以上」となっている投票資格を「18歳以上」に引き下げる方向で調整に入った。選挙運動や決選投票のあり方などの見直しも含めて、党政治改革本部で本格的な議論に着手し、来年3月の党大会で総裁公選規程の改正を目指す。 【表】一目でわかる…自民党総裁選の主な検討項目
若年層の意見反映、狙い
複数の自民幹部が明らかにした。現行の規程では、党員投票への参加は「日本国籍を有する20歳以上」と定められているが、選挙権年齢を18歳以上としている公職選挙法に合わせる。
9月の総裁選をはじめ、最近は特例を設けて18歳以上に党員投票を事実上認めてきた経緯がある。若年層の意見も総裁選に反映させる狙いがあり、ある党幹部は「正式に引き下げて整理をつける」と述べた。
引き下げに当たっては、要件の一つである「過去2年分の党費納入」との整合性も取る必要がある。党員になれるのは18歳以上で、党費の要件があると党員投票が可能になるのは19歳以降となる。最近は「過去1年分」に要件を緩和するなどしており、この点も含めて改正を議論する予定だ。
総裁選の見直しについては、総裁選挙管理委員会の逢沢一郎委員長が今月、森山幹事長へ検討を申し入れた。年明けから同本部で議論を始める予定で、森山氏は24日の記者会見で「各都道府県や所属国会議員の意見もしっかりと聞きながら議論を進めてもらいたい」と述べた。
選挙運動も焦点
選挙運動のあり方を巡る議論では、「お金のかからない総裁選」の実現が焦点となる。先の総裁選では、告示前に当時の高市早苗経済安全保障相が大量の政策パンフレットを党員に郵送したことが問題になり、総裁選管が異例の声明を出す事態となった。
規程の見直しでは、現在は規制が掛かっていない事前運動を含め、郵送物や自動音声による電話かけなどの禁止が議論される見通しだ。陣営に提供する党員名簿の扱いも議題となる。
また、決選投票のあり方を巡っては、都道府県票の比重を増やすことが焦点となる。国会議員が1人1票を投じるのに対し、都道府県は各1票に限られている。都道府県によって異なる党員数に応じて、どうやって票のバランスを取るかが課題となりそうだ。