直前キャンセルが月100件も…これって泣き寝入り? 悩んだ店主、気軽な対策で激減「良い案ですね」
「キャンセル自体が悪ではないのですが…」
鬼頭さんは、「キャンセル料金とは契約の一方的な破棄により相手側が被る損害を補償補填するために存在していると考えており、飲食店側に損害が生じた時点で事情は関係ないのでは?という思いです。キャンセル自体が悪であるとは一切考えておりません。致し方のない事情がある場合もあります。しかしキャンセル料を払いたくないからあの手この手で免れようとすることは悪ではないでしょうか」と、新たな問題を指摘します。 「とりあえず仮予約」からのキャンセルに困らされることは少なくなったものの「キャンセル料の免除やなんとかしてもらおうとする電話がピークタイムにあり人的コストの負担になっています」と、キャンセル料を知っていたにもかかわらず、返金を求める人が出てきているそうです。 キャンセル料や違約金については、他の業界でも同様に設定されているものの、飲食店のキャンセル被害は他に比べて軽んじられていると感じる鬼頭さん。 「契約通りにキャンセルチャージを請求すれば不親切扱いです。その後口コミサイトで嫌がらせなどやられ放題です。そのため、どの飲食店も請求できず苦しんでいます」と「カキノミ」に留まらない飲食業界の辛い現状について訴えました。 ◇ ◇ ピーク時での電話対応や、予約ミスを避けるためにも、最近は電子メール、InstagramなどのDM、予約サイトなどでも受け付ける店は増えています。また、予約した時点で全額支払いが必要な店も。 これらは、スタッフ確保や食材を準備した際に、突然のキャンセルやノーショー(キャンセルの連絡なしで来店しないこと)によって、お店側が損害を被るのを避けるためです。 今回、鬼頭さんが選んだ「テーブルチェック」は2016年は1000店舗に満たない状況だったそうですが、2017年に「キャンセルプロテクション機能」を実装すると、2024年5月には10143店舗に加盟店が増加。 予約の際に、事前決済、デポジット制、クレジットカード情報入力など、店ごとに設定ができるため、この機能を利用しているお店では、無断キャンセル発生率が1/9にまで低下しているといいます。 「弊社はルールを守るお客様が損をしないお店でありたいです。ルール違反をされて出た損失を、他のお客様からの利益やスタッフの待遇改善を据え置くことでカバーしたくないです。ルールを守らなければペナルティがある。それが当たり前になることを飲食業界にも願っています」と鬼頭さん。ルールを守ることが、お店や働く人を守ると言えそうです。 「カキノミ」は三陸産の牡蠣を仕入れ、生牡蠣(1個250円、仕入れにより値段変動)、グラタン焼き、アヒージョと牡蠣づくしのメニューが楽しめます。各店舗のInstagramで近況を発信しています。 (まいどなニュース/Lmaga.jpニュース特約・谷町 邦子)
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