私立大学の学費が4年で「700万円」! 貯金がない場合、親が「国の教育ローン」を組む・子どもに「奨学金」を申し込んでもらうのとどちらがおすすめ? 併用もありなの? 違いを解説
国の教育ローンと奨学金の違い
国の教育ローンとJASSOの奨学金の違いをまとめると、図表2のとおりです。
日本政策金融公庫 教育一般貸付(国の教育ローン)、独立行政法人日本学生支援機構 奨学金 を基に作成
国の教育ローンと奨学金に向いている人の特徴
国の教育ローンが向いているのは、奨学金という借金を子どもに背負わせたくない人です。奨学金は4年間借り続けると数百万円の借金になることも少なくありません。国の教育ローンは、子ども1人あたり350万円以内(一定要件を満たす場合は450万円以内)で、親(保護者)が返済します。 また、学力基準や収入基準が合わず、奨学金を利用できない人でも、学力に関して無審査の国の教育ローンなら借りられるケースがあります。 一方、「給付型奨学金」を受け取る条件を満たせる人は、奨学金に申し込むほうが良いでしょう。将来は子どもの負担になる奨学金ですが、給付型なら返済の必要はありません。 また、一括で借りるのではなく、毎月一定額を借りたい人も、奨学金が選択肢になります。
4年間の学費全額を借りるなら併用するという方法もある
日本政策金融公庫が令和3年度に実施した「教育費負担の実態調査結果」によると、大学4年間の平均的な費用は680万7000円です。全額を借りようとした場合、国の教育ローンでは上限額の450万円でもカバーできません。 奨学金も同様で、毎月12万円を4年間借りても576万円が上限であり、平均的な4年間の学費680万円を奨学金だけでカバーするのは難しいです。 どうしても預貯金が用意できない場合、国の教育ローンと奨学金を併用するという方法もあります。実際、国の教育ローンを利用している人のうち約半数が、奨学金との併用をしています。
まとめ
契約する主体が誰かは異なるものの、国の教育ローンも奨学金も借金を背負うことになるのは変わりません。 子どもに借金を背負わせたくないなら親が国の教育ローンからお金を借りるのがおすすめです。ただ、「借入できる金額に制限がある」「金銭の受け取りは一括が基本」など、デメリットに感じることもあります。 国の教育ローンと奨学金の特徴やメリット・デメリットを把握し、家庭ごとに最適な選択ができるように制度の理解を深めましょう。 出典 日本政策金融公庫 令和3年度「教育費負担の実態調査結果」 日本政策金融公庫 教育一般貸付(国の教育ローン) 独立行政法人日本学生支援機構 奨学金 執筆者:FINANCIAL FIELD編集部 ファイナンシャルプランナー
ファイナンシャルフィールド編集部