「虫が唯一のタンパク質だった」シリアで“死の収容所”の呼ばれるサイドナヤ刑務所の元収容者が証言 アサド政権下で行われていた過酷な拷問の実態とは【news23】
刑務所の地下に広がるのは真っ暗な独房。この部屋で、わずかな光を頼りに過ごしていました。 元収容者 エリアス・アブドラさん 「看守がドアを開く音がしたら、立ち上がってこんな体勢をとらなくてはいけないんだ。目を瞑っていなくてはならず、彼らは入ってくると、何度も殴ってくる。何度も、何度も。それでも、言葉を発してはいけない」 食事のときも… 元収容者 エリアス・アブドラさん 「これが私たちの食べ物です。ここには光がないため、何を食べているのか見えません。食べ物の中に虫がいると、虫も一緒に食べることになります。でも虫を食べていると分かった時は嬉しくなります。唯一のタンパク質だから」 アブドラさんが収容されていた数か月の間に、40人から50人が死んでいったといいます。 ■元収容者「魂を奪い取ってと祈った」 最上階には“処刑器具”も 刑務所の最上階にあったのは、処刑に使われていたとみられる器具でした。 元収容者 エリアス・アブドラさん 「看守は1週間に2回、朝の礼拝が終わるとやってきて、収容者を連れていった」 国際人権団体「アムネスティ・インターナショナル」は、2011年からの5年間だけで、実に1万3000人が処刑されたと報告。実際の死者はさらに多いとみられています。 元収容者 エリアス・アブドラさん 「魂を奪い取ってくれと神に祈った。これ以上、生きていたくなかった」 シリアでは、各地の刑務所に投獄されていた大勢の行方が、今も分かっていません。 アブドラさんは、「収容者にも家族がいて、帰りを待っている」とし、生きて見つかるよう祈ってます。
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