[MOM4846]広島県MF河上颯希(広島ユース、1年)_“特別な”左足。チームを国スポ決勝へ導くFK弾
[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ] [9.24 国スポ少年男子準決勝 広島県 2-0 福岡県 駅スタ] 【写真】森保監督、スプリンクラーから子どもを助けて猛ダッシュ 背番号13の左足が、広島を5年ぶりの決勝へ導いた。0-0の後半19分、広島県は敵陣中央でFKを獲得。MF河上颯希(広島ユース、1年)が左足を振り抜くと、ボールを鮮やかな弧を描いてゴール左上のネットへ吸い込まれた。 このシーン、ボールの側にはMF野口蓮斗(広島ユース、1年)も立っていた。河上は「野口が『俺、ここ練習してきたから』って言ってきて。最初、どっちが蹴るか迷って。譲らずに、自分で行きました」と明かす。野口が蹴る雰囲気を出していたことも相手GKの判断を迷わせたようだ。人壁の外側から巻く狙いで蹴った河上のシュートは、イメージよりもやや内側へ。それでもGKの届かないコースへ飛び、歓喜の先制点となった。 河上はゴールを確認すると、雄叫びのような声を上げながらベンチへ。「(今大会)初だったんで、決めたのが。結構、コーナーキックとか、フリーキックも自信があって。やっぱそこで点取ったらチームも一気に楽になると思うし、そこで点取れて良かったです」と声を弾ませ、遠藤真仁監督(広島ユース)も「彼はもうほんと、キックに関しては、フリーキックだけじゃなくて、コーナーでも。(今大会は)キックがしっかり当たっていい状態でいましたし、なんか雰囲気もありましたね」と讃えた。 河上は、今大会初戦の高知県戦でも左足のサイドチェンジで先制点の起点となり、プレースキックで2ゴールを演出。この日は1-0の後半28分にも、左足のスルーパスで追加点に係わっている。 武器のキックは、幼い頃から父親とパス&コントロールを反復練習。また、小学5年生時の大怪我が左足の精度向上に繋がっているのだという。「キーパーがいなくて試合でキーパーしてて、シュート食らったら、そのまま(左大腿の)骨が折れました。もう、パスしかできなくて。右足も踏ん張れないから蹴れない。左足だけで蹴っていました」。思うようにプレーできない時期を経験しているが、その際に“特別な”左足の感覚が磨かれた。 今大会序盤は野口が不在だったため、ボランチで先発していたが、この日はより得意とするシャドーの位置で活躍。「チームが楽になるようなプレスバックや、ゴール前に行く姿勢とか。球際とかはまだまだですけど、チームのために走れる運動量とか見て欲しいです。今後は得点に絡んで、点取ったりアシストしたりして、目立てるような選手になりたい」と語る。 憧れの選手は元スペイン代表の名手、MFグティ。「逆突くパスとかが好きで、FWとか、あのパス来たら点取るだけなんで。ああいう選手を目指します」。25日の国スポ決勝でもチームのためにハードワークし、左足で貴重なゴールをもたらす。
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