「当面は岸田氏を支える」の真意…石破茂氏、総裁選出馬ヤル気か 自民下野に危機感持つ小泉氏ら長老と会食、夏にも宣戦布告?
自民党の石破茂元幹事長の去就が注目されている。岸田文雄内閣の支持率が低迷するなか、報道各社の世論調査で「ポスト岸田」の筆頭格と期待する向きがあるのだ。14日夜には、小泉純一郎元首相や山崎拓元副総裁らと都内の日本料理店で会食した。出席者から「次の自民党総裁選に立候補すべきだ」との声が上がったという。一部報道では、石破氏は「当面は、岸田政権を支える」と語ったというが、時機を見て〝宣戦布告〟するつもりなのか。 【写真】小泉純一郎元首相らと会食した自民党の石破茂元幹事長 会食は、小泉政権を当時支えたメンバーが開いたもので、亀井静香元政調会長や武部勤元幹事長も同席した。石破氏は小泉政権下の2002年9月、防衛庁長官として初入閣した。 石破氏は会食後、9月の総裁選が話題に上ったかどうかと記者団に問われ、「一切ない」と説明。「いろいろなことが勉強になったという昔話をした」と語った。 だが、NHKやTBSによると、会食では出席者から「選挙があれば、自民党は政権を失う」との危機感が示され、「石破氏が総裁選に立つべし」という話があったという。これに対し、石破氏は「当面、岸田政権を支えることに徹したい」と語ったというのだ。山崎氏が明かした。 「当面」という言葉が付いている以上、チャンスを見て岸田首相と対峙(たいじ)するという意味に聞こえる。秋の総裁選前、石破氏の今年夏の言動から目を離せない。 有馬晴海氏「国民的人気に期待するが…」 政治評論家の有馬晴海氏は「石破氏は『当面』と発言した。『次の総裁選に出る可能性が高い』と見るべきだ。小泉氏ら長老は自民党下野の危険性を察知して、自民党を救うには国民的人気のある石破氏しかおらず、党内の流れを期待しているのかもしれない。ただ、岸田政権内では石破氏を敬遠する傾向がある。石破氏の発言は、周囲から嫌味に聞こえることも多い。本人も『身内を背後から撃つ』ような行動に出れば総裁になる芽を摘むことになると理解しているだろう」と語った。 一方、石破発言は、「字面通り」との受け止めもある。
政治評論家の小林吉弥氏は「石破氏からは総裁選出馬への強い意欲はみえず、『当面』発言は、自らも総裁選の戦略を固められていないことを示すものではないか。小泉氏や山崎氏らも党内に影響力を及ぼせる腕力も今はない。総裁選の構図や、解散など状況を読み合ったり、旧交を温めたりする程度の会食だったのではないか」と語った。