【NBA】エンビードとジョージ不在で健闘したシクサーズ、誤審に泣いてマジックに敗れるも指揮官は「良い仕事をしている」
同点のチャンスとなるフリースローが誤審で与えられず
セブンティシクサーズはピストンズとホーネッツを相手に今シーズン初の連勝を記録したが、マジック戦は2日連続の試合とあってポール・ジョージが休養を取り、ジョエル・エンビード、アンドレ・ドラモンド、カイル・ラウリーとベテラン勢が揃って欠場となった。 調整が進まず出遅れたエンビードは開幕10試合目にようやく初出場を果たすも、以後の10試合のうち3試合でプレーしたのみ。左膝の状態が良くなくここ5試合連続で欠場しており、この日はコートに出て軽い練習をこなす姿が見られたものの、復帰の予定はまだ立っていない。エンビード不在時にセンターで先発するドラモンドも足首を痛めてプレーできず、マジックはここを徹底的に突いてきた。 84本のフィールドゴールのうち3ポイントシュートは29本だけ。積極的にインサイドを攻めて、106得点のうち64得点をペイントエリアから奪い、フリースローでも16得点を奪った。シクサーズもスモールラインナップで、ガーション・ヤブセレやKJ・マーティンが身体を張るも、やはり限界がある。パオロ・バンケロが腹部の筋肉を傷めて長期離脱中でも、フランツ・バグナーがステップアップして16勝8敗と結果を出しているマジックの自信満々のプレーは、フィラデルフィアの観客には一際まぶしく見えたに違いない。 それでもシクサーズはタイリース・マクシーとルーキーのジャレッド・マケインを中心に粘り強く戦い、終盤まで接戦に持ち込んだ。第4クォーター残り22秒、マクシーがスピードでゴガ・ビタゼを抜き去ってレイアップに持ち込み、100-101と1点差に迫る。 ただ、ここからシクサーズに不利なジャッジが2つ続いた。ファウルゲームを狙ったマクシーのバグナーに対するファウルがコールされずにクロックが進んでしまい、2つ目のジャッジはさらに致命的だった。3点差を追う残り8秒、 鋭い動き出しでアンソニー・ブラックのマークを振り切ったマクシーが、ブラックからの接触を受けて3ポイントシュートを放つもノーコール。マクシーは必死になって審判に詰め寄るも、判定は変わらず。試合後に出された報告書では2つとも誤審だったと説明されたが、敗れたシクサーズにとっては慰めにならない。 指揮官ニック・ナースは「タイリースはディフェンスの間を突破し、そこでディフェンスが彼の腕を叩いた。映像で見れば明らかで、フリースローが与えられるべきだった。タイリースの素晴らしいプレーだったのに」と嘆いた。 シクサーズは5勝15敗、連勝で一息ついたものの、いまだ東カンファレンス14位に沈んだまま。それでもエンビードやジョージ不在でも、それなりに戦えるようにはなりつつある。悔しい負けで、それには誤審も絡んでいたが、指揮官ナースは必要以上に怒ったり嘆いたりするのではなく、チームを成長させることにフォーカスした。 「先発メンバーが欠場すれば個々の選手の役割分担が変わり、チームの戦い方も変わってくるし、時には全く別のことをやらなければならない。その中で我々は様々なラインナップを試し、そのそれぞれで組織的なプレーができるよう多くの練習を行っている。選手たちは少しずつ慣れて、良い仕事をしてくれている」 20試合で13の先発ラインナップを使っているシクサーズはいまだ浮上しないが、チームとしては少しずつ形になっている。それがシーズン中盤から後半に良い成果を生み出すと、ナースも選手たちも信じて戦っている。