【ラグビー】日本代表、強豪イングランドと激突!元日本代表・大西将太郎「『今のスタイルで行けばさらに強くなる』未来が見える試合になれば」
世界のラグビー強豪国が欧州に集い、熱戦を繰り広げている「オータム・ネーションズシリーズ」。WOWOWでは手に汗握る試合の連続となっているそのテストマッチシリーズを現在放送・配信中で、11月23日(土・祝)からの第4週の6試合も見逃せないカードがずらりと並んでいる。 特に注目すべきは11月25日(月)午前0時40分から放送・配信する「イングランドvs日本」だろう。エディー・ジョーンズHC率いる日本代表にとって2024年の活動を締めくくる試合となり、6月にも対戦した強豪イングランドに対してチームとして掲げてきた“超速ラグビー”がどこまで見せられるか、という意味でも見逃せない一戦となる。 今回は、その「イングランドvs日本」を解説予定で、11月16日の「日本vsウルグアイ」の配信でも解説を務めた元日本代表の大西将太郎さんに、日本代表の現状やイングランド戦に向けて注目すべき点、そして代表OBとして伝えたいことなどをうかがった。 ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ──日本はウルグアイに36-20で勝ち、今回の欧州遠征で初勝利を収めました。 「できれば大勝して、きれいに次のイングランド戦へ向かうのが理想的だったと思いますが、そんなに簡単に勝てる相手ではありませんでした。選手たちも“これがテストマッチだ”と痛感したと思いますが、シンビン(10分間の一時的退出)やレッドカード(退場処分)などがありながらも最後は勝ち切りました。それがすべてです。この勝利をどのように次に生かすか、それが大事になります。最後にトライを取って終われたことも大きいです」 ──勝利という結果が何よりの収穫、ということですね。 「はい。僕が日本代表だった時代とはレベルが違いますが当時の経験から言いますと、長く一緒に生活している選手たちは勝てない時期が続いてしまうとメンタル面でやられてしまいます。ですから、こうして勝って次に臨めるのは想像以上に大きいことなのです」 ──後半26分のレッドカードで1人減ってからは特にディフェンスで我慢し、相手に得点を許しませんでした。 「規律を守る日本のチームスタイル、国民性が(レッドカード以降は)出ていました。1人少なければ誰かがその分カバーしよう、という精神がよく表れていましたね」 ──もちろん課題もあります。 「あくまでチームの強化プログラムの中心はアタックだと理解はしていますが、気になるのはやはりディフェンスです。個々のタックルで(逆に)食い込まれたり、相手にパスをつながれたり、というシーンが多く見られました。その原因が(ディフェンス)システムにあるのか、個人のタックルにあるのか。そのあたりも次のイングランド戦でわかると思いますが、失点が多いという課題は依然として残っています」 ──そんな日本代表を、SH(スクラムハーフ)齋藤直人選手がキャプテンとして牽引しています。 「ウルグアイ戦でも、FWが“攻めたい”と意気込んでいる時に齋藤選手が冷静にペナルティゴールを狙う選択をした場面がありましたし、大きな試合でも落ち着いていますね。フランス(TOP14のトゥールーズ)でプレーするようになって、また一回り成長しているなと感じました」