日本の国内規制で「100%再生可能ディーゼル」は難しく? 伊藤忠などが軽油と混ぜた「RD40」流通拡大へ!
軽油と混ぜるのは国内規制のため?
廃食用油や動物油脂などのバイオマスを原料とするRDは、従来のディーゼルエンジンでそのまま燃焼可能な「ドロップイン燃料」であることが最大の特徴で、エンジン側での対応が必要な「バイオディーゼル」(FAME)とは異なる。 RDはその特性上、軽油と混和しても使用できるが、従来のディーゼル車を維持したまま再生可能エネルギーに移行するというドロップイン燃料としてのメリットは、化石燃料と混ぜることで失われてしまう。 あえて軽油と混和したRD40の流通拡大を目指すのは、国内規制に基づく制約のためだ。日本国内でRD100パーセント品を使用する場合、車両はRD専用車両となり、一般的に軽油との併用ができなくなってしまうからだ。 RD40はそうした制約を受けることなく軽油との併用が可能で、例えば走行中に燃料が不足したり、RDの供給が足りなくなった場合も軽油を継ぎ足すことができる。100%再生可能ではないがもちろん応分の脱炭素は可能で、国内規制への対応と利便性を両立するためRD40燃料によりRDの普及を図るということのようだ。 4社は今後も引き続き協業を続け、2025年度を目途にINPEXグループ及び伊藤忠グループが携わる陸上輸送、建設、空港、港湾、鉄道分野でも、協働してRD40の導入を目指すとしている。 なお、各社の役割だが、伊藤忠商事がネステよりRDを調達し、伊藤忠エネクスが軽油と混和しRD40燃料を製造、INPEXグループは自社でRD40を使用するほか北陸・甲信越地方でその需要を開拓するという。