金谷拓実の母・美也子さんが現地観戦、ハンカチ手に涙 3位で初賞金王に「おめでとう、と伝えたい」/国内男子ゴルフ
日本シリーズJT杯第3日(1日、東京・よみうりCC=7002ヤード、パー70)今季最終戦で、金谷拓実(26)=Yogibo=が3位。賞金ランキングを前週の2位から1位に上げ、応援に駆けつけた母・美也子さんの前で、逆転で初の賞金王となった。賞金ランク1位だった平田憲聖(24)=ELECOM=は17位で、初のキングはならず。ショーン・ノリス(42)=南アフリカ=が68で回り、通算12アンダーで優勝した。 金谷の戴冠を、グリーンサイドで喜ぶ人がいた。ハンカチを手に涙を流したのは、母・美也子さん。前夜に広島から東京入りして現地で観戦。「おめでとう、と伝えたいです」と目を細めた。 幼い頃の金谷を「子供らしくない子供」と表現する。「駄々をこねるもない。おもちゃを欲しいとかも言わなかった」。ゴルフに熱心な姿勢は昔のまま。静かな闘志を燃やし続ける息子だった。 2022年夏、美也子さんに乳がんが発覚。だが、海外転戦も多い息子に対し「2カ月間くらい言えなかった」。心配をかけまいとしたが、帰省した際に伝えると、動揺は見えなかったという。だが、真意は違った。 その1年後の23年6月。「BMW日本ツアー選手権森ビル杯」で初の国内メジャー優勝。スピーチでは大ギャラリーの前で母の闘病を明かし、「早く優勝して励みにしてほしいと思っていた」と力強く口にした。 普段は連絡を取ることも少ない親子。母は「いつも私が行っても優勝できない」と笑ったが、孝行息子は確かに、日本ツアーの頂点に立った。(阿部慎)