製造業の月間倒産件数、9年ぶり120件越え…7月件数は92%増
帝国データバンク(TDB)と東京商工リサーチ(TSR)が8日発表した7月の倒産件数は、TDBが前年同月比31・2%増の920件、TSRが同25・7%増の953件だった。TDBは27カ月連続、TSRは28カ月連続で前年同月を超えた。政府や自治体によるコロナ支援策の終了に加え、物価高や人手不足などで倒産が増加した。 【グラフ】倒産件数の推移 負債総額はTDBが同4・3倍の7769億3100万円、TSRが同4・8倍の7812億600万円だった。MSJ資産管理(旧三菱航空機)が特別清算を申請したことで負債額を押し上げた。 TDBの業種別は全7業種のうち6業種で前年同月を上回った。「製造業」が同92・1%増の121件だった。月間で製造業の倒産が120件を超えたのは約9年ぶり。 TSRの産業別は10産業のうち8産業で前年同月を上回った。建設業が19カ月、製造業が4カ月連続でそれぞれ前年同月を超えた。 TSRは「金利上昇が(企業の)収益を下押しする。稼ぐ力が見劣りする中小企業を中心に秋口以降、倒産件数が増勢局面に入る」と分析。TDBも「中小企業を取り巻く環境は厳しく、現在の発生状況が続けば年間の倒産が(前年より約2割多い)1万500件程度になる」とみる。