俺たち関係ないだろ?…年金月33万円・72歳おしどり夫婦を戦慄させた一通の督促状。元凶は、36歳“出戻り息子”宛てに年金機構から届いた「赤い封筒」【CFPの助言】
20歳以上60歳未満のすべての国民には、「国民年金保険料」の納付が義務づけられています。会社員の場合、給与から天引きされるため気にならない人も多いかもしれませんが、自営業の人などは納付のお知らせが届きます。なかには、安易な気持ちで未納にする人もいるようですが、滞納を続けていると本人だけでなく、家族を巻き込んで大変な事態に陥りかねないと、牧野FP事務所の牧野寿和CFPはいいます。70代夫婦と30代息子の事例をもとに、国民年金の仕組みと注意点についてみていきましょう。 【早見表】年金に頼らず「1人で120歳まで生きる」ための貯蓄額
都内に就職したひとり息子が、33歳で「出戻り」したワケ
72歳のAさんと同じ年の妻・Bさんは、ある地方都市の戸建て住宅に住んでいます。すでに住宅ローンの支払いは済んでおり、現在は夫婦合わせて月33万円の年金を受給しながら、穏やかな老後を過ごしています。 Aさんは、60歳の定年まで地元にある企業に勤めたあと、2年間同じ会社で嘱託社員として勤務。10年前、62歳で完全リタイアしました。定年後は、妻と散歩をしたり、買い物に出かけたりと、近所でも評判の「おしどり夫婦」です。 2人には、36歳になるひとり息子のCさんがいます。 Cさんは、高等専門学校に進学したのち、20歳で都内にある大手電気工事会社に就職。そこで10年ほど勤務したあと、33歳で独立を決意し、実家に戻りました。現在は、個人で電気工事事務所を営んでいます。 開業するにあたって、Cさんは市役所や税務署で所定の手続きを済ませました。それまでは会社員でしたから、手続きのなかには、国民年金や国民健康保険への加入も含まれています。国民健康保険料は世帯ごとの納付であるため、自分の分はAさんに渡すことにしました。 その後、事業は順調に推移。3年が経ち、今年の事業所得は400万円近くになりそうです。 また、Cさんは本業の傍ら、投資も行うようになりました。Aさんが現役時代から株式投資を行っていたため、それを見習って始めたのだそうです。父親のアドバイスのかいもあり、こちらも成果は上々でした。