左ボディー一閃でKO、初防衛の西田凌佑「バンタム級で一番強い選手になりたい」
国際ボクシング連盟(IBF)バンタム級タイトルマッチ12回戦は15日、大阪市のHOS住吉SCで行われ、王者の西田凌佑(りょうすけ)(六島)が挑戦者で同級14位のアヌチャイ・ドンスア(タイ)を7回KOで退け、初防衛に成功した。 7回、強烈な左ボディーで挑戦者をリングに沈めた。西田が自身2度目のKO勝ちで初防衛。「倒して終われてよかった。チャンピオンのまま年を越せるのがうれしい」。決してプラン通りの展開ではなかっただけに、安堵(あんど)の笑みがこぼれた。 足を使って距離を取る戦法がスタイル。ただ、この日は接近戦になる場面も多く、手数を出してくる挑戦者に対し「(パンチを)もらいすぎた」。約3週間前のスパーリングで右脇腹を痛めていたことを明かし、「本来とは違うボクシングになった」と振り返った。 それでも焦ることなく、ボディーで攻めて相手の体力を削っていった。今年5月に世界奪取に成功した際は直前まで減量に苦しんだが、今回は約2カ月前から着手し、この階級で戦っていく手応えもつかんだ。 プロ9戦のキャリアでKO勝利が1回だけだったことにコンプレックスも持っていたという。母校である近大の学生らを招待した試合で見せ場を作り、次に見据えるのは他団体の王者との統一戦だ。「バンタム級で一番強い選手になりたい。すぐにでも練習して修正したい」。初防衛を自信に変えながら、鍛錬を続けていく。(丸山和郎)