<女子バレー>メグ復活!「引退も考えた」エースが大けが乗り越え新境地へ
「何度も心が折れそうになった」復帰後、しばらく得点できず
チームを離れ、国立スポーツ科学センター(JISS)を拠点に約10カ月に及んだ地道なリハビリ。「何度も心が折れそうになった」と言うが、周囲に支えられながら「ここまでしっかりトレーニングを積んだことはなかった」と手応えをつかむほど筋力強化に取り組み、今年1月18日のNEC戦でついに実戦復帰を果たした。だが長期のブランクが試合勘を鈍らせ、プレーは本来の切れを欠いた。患部の状態を見ながらの短い出場時間にも「結果を出すのは簡単ではない」と苦しんだ。今季初得点は6試合目のJT戦。復帰から3週間が経っていた。 3月9日、ホームで迎えた首位久光製薬戦。第1セット途中からの出場でわずか4得点に終わった。相手の中田久美監督は「けがから復帰したばかりで、よくあそこまで戻っている」と話しながらも高い決定力を誇った昨季ほどの脅威は感じていない。実際、チームはストレートで完敗。レギュラーラウンドで唯一となる4戦全敗を喫し、「自分への自信のなさがプレーに出てしまった」と悔やんだ。
だが、この敗戦で「もう、やるしかない」と吹っ切れた。翌週のパイオニア戦は見違えるようなプレーで爆発すると、21日の東レ戦では初先発フル出場を果たし、両チーム最多の23得点。相手守備を翻弄する硬軟織り交ぜたアタックと高さのあるブロックで輝きを放ち、今季3連敗と苦戦が続いた東レをストレートで一蹴した。 「今まで自分のプレーや体の動きばかりにとらわれていた。自分の色を出しつつ、それをみんなと融合させていくことがチームの良いムードにつながると、やっと思えてきた」。29歳となったベテランは、新境地を開こうとしている。 最高殊勲選手賞など数々のタイトルを手にしながら、優勝は05-06年シーズンのパイオニアでの1度しかない。19歳のセッター宮下遥ら若手が多いチームの中で「今までと求められる役割は違うが、経験が必ず生きてくる。もう一度、チャレンジしたい」。 初の頂点を狙う岡山シーガルズで、新たな夢を追う。