<女子バレー>メグ復活!「引退も考えた」エースが大けが乗り越え新境地へ
「メグカナ」(大山加奈とともに)と呼ばれ、女子バレー日本代表としてファンを魅了してきた栗原恵が、今、V・プレミアリーグ女子の岡山シーガルズで新たな夢に向かっている。移籍後1年目の昨年2月、右膝の前十字靱帯損傷という大けがをし戦列を離れたが、今年1月、実戦に復帰した。3月後半にはスタメン出場も果たした。 Vリーグ20周年の投票企画「ミスVリーグ」で1位と人気も高く、バレーファンが待ち望んでいた「プリンセス・メグ」の復活。 シーガルズはレギュラーラウンドを17勝11敗で過去最高の3位通過。初の優勝決定戦進出を懸けて戦うファイナルラウンド(3月28日~久光製薬、東レ、トヨタ車体とセミファイナル)で復活を印象づける。
戻ってきたメグスマイル
メグスマイルが戻ってきた。 3月16日のパイオニア戦で躍動した。第1セット途中からコートに入ると、強打を連発。フルセットにもつれたこの試合、今季最多の24得点を叩き出し、勝利の立役者となった。1月の実戦復帰後はなかなか思うようなプレーができなかった。「これまでもどかしい思いもあったが、実戦を重ね、やっと試合勘が戻りつつある。今のベストの状態まで持ってくることができた」
悪夢は約1年前にさかのぼる。昨年2月24日の東レ戦、相手のアタックをレシーブしようとした際に「思い切り蹴られたような」強い衝撃が突然右膝を襲った。「ガコッ」という鈍い音とともに激痛が走った。診断結果は右膝前十字靱帯損傷の重傷だった。 ロシアの強豪ディナモ・カザンから移籍した1年目のシーズン。開幕から切れのある動きで得点を量産し、一時チームを首位に押し上げる原動力となった。当時リーグは終盤を迎え、チームも激しい上位争いを繰り広げていた。医師からは、手術を受ければ「復帰まで12カ月」と告げられた。迷いはあったが、半月後、靱帯再建手術に踏み切った。「一日でも早くコートに戻りたい」。強い意志がそうさせた。 過去何度もけがに見舞われてきた。2010年に左膝半月板、11年には左膝軟骨損傷を手術。12年のロンドン五輪代表は最終選考でメンバー落ちし、「引退も考えた」と言うほど気持ちは落ち込んだ。 そんなとき、声を掛けたのが三田尻女高(現誠英高)時代からその才能に惚れ込んでいた岡山シーガルズの河本昭義監督。選手育成に長けたベテラン指揮官の下、「今までと違うプレースタイルを学びたい」と同年7月に入団を決意した。