Luup社長「違反者を撲滅できる」発言が炎上…急拡大する電動キックボードに渦巻く「いけ好かなさ」の正体
■「アクセル」と「ブレーキ」をうまく使いこなす 2022年に暗号資産(仮想通貨)交換業大手FTXトレーディングが経営破綻した際、同社の広告塔として起用されていたメジャーリーガーの大谷翔平選手、プロテニスプレイヤーの大坂なおみ選手が損失を被った投資家らから米連邦地裁に提訴されるという事態が起きた。 Luup社がそのようになるとは思わないが、有名タレントを起用して、大々的に広告・宣伝を行っていることが裏目に出るようなことにならなければいいが――と願っている。 乗り物はアクセルとブレーキを使いこなすことによって、安全かつ迅速に目的地に移動することが可能となる。Luup社は「事業拡大」というアクセスを踏み過ぎて、スピードを出し過ぎていたように思う。 これからは、ブレーキもうまく使って、ビジネスを安全に持続させていくことが重要になる。「生活インフラ」としてサービスが定着し、CMで言われているような「もう、フツーでしょ?」という状況になるには、そうすることは、重要であるだけでなく、不可欠なことでもある。 ---------- 西山 守(にしやま・まもる) マーケティングコンサルタント、桜美林大学ビジネスマネジメント学群准教授 1971年、鳥取県生まれ。大手広告会社に19年勤務。その後、マーケティングコンサルタントとして独立。2021年4月より桜美林大学ビジネスマネジメント学群准教授に就任。「東洋経済オンラインアワード2023」ニューウェーブ賞受賞。テレビ出演、メディア取材多数。著書に単著『話題を生み出す「しくみ」のつくり方』(宣伝会議)、共著『炎上に負けないクチコミ活用マーケティング』(彩流社)などがある。 ----------
マーケティングコンサルタント、桜美林大学ビジネスマネジメント学群准教授 西山 守