その頭痛・めまいなどの不調、“自律神経の乱れ”が原因かも!? 「自律神経失調症」の症状・対処法を医師が解説
自律神経失調症が疑われるときは?
編集部:自律神経失調症は、どのようにして診断されるのですか? 久手堅先生:重要なのは、ほかの疾患との鑑別です。例えば、動悸が続く場合、心電図や血液検査などをおこなっても異常が見つからず、ほかの疾患の可能性が除外されたときに、初めて自律神経失調症と診断されます。 編集部:検査をしても異常が見つからないと、本人としては不安ですよね。 久手堅先生:そうですね。症状が1回で終わればいいのですが、何度も症状が出現すると、本人としては非常に苦しい状態が続くことになりますし、病院へ行っても「異常はありません」「ストレスじゃないですか」と言われることもあります。そのため、原因を探すためにいくつもの病院をまわる人も非常に多いのです。 編集部:しかし「気のせい」ではなくて、実際は自律神経が乱れている症状ということなのですね。 久手堅先生:はい。自律神経が乱れる原因として様々な要素が考えられ、なかでもストレスや生活習慣の乱れは自律神経を乱す大きな原因とされています。例えば、大きなストレスを抱えると食欲がなくなったり、眠れなくなったりします。こうした症状も自律神経失調症の一種であり、この状態が続くと、うつ症状、パニック障害、慢性疲労症候群などとなっていくことが少なくありません。 編集部:自律神経失調症かもしれないと思ったら、何科を受診したらいいのでしょうか? 久手堅先生:腹痛、胃痛、頭痛など、体に具体的な症状が出現している場合には、該当する標榜科を受診しましょう。頭痛なら脳神経内科や脳神経外科、めまいなら耳鼻科、倦怠感なら内科、腹痛なら内科か消化器科を受診してください。 編集部:それでも原因が見つからない場合は? 久手堅先生:体の動きや感覚、記憶など脳や脊髄、神経などの症状も診てくれる神経内科の受診をおすすめします。また、メンタル面の不調が目立つなら、心療内科や精神科を受診してもいいと思います。