国際政治学者・猪口孝さん 偉大な学者の痛ましい訃報 まさかこんなことで…という理由で「自宅火災」が起きることを忘れない
【ドクター和のニッポン臨終図巻】 大変痛ましいニュースが飛び込んできました。 国際政治学者で東大名誉教授だった猪口孝さんが、11月27日に東京都文京区で発生した自宅火災により死去されました。享年80。死因は焼死との発表です。この火災により長女も亡くなりました。 【写真】衆院選で当選した妻の邦子氏の初登院に付き添う孝氏 火災で亡くなることは、他人事ではありません。 総務省消防庁が発表した2023年の「火災統計」によれば、昨年1年間の総出火件数は、3万8672件。火災による死亡者数は1503人とのこと。一昨年の22年は、3万6314件で、死者数は1452人でしたから少し増加しています。 そして火災の原因の1位はたばこ、2位はたき火、3位はコンロ、4位は放火、5位は電気機器というデータもあります。 建物火災は、これからの寒い季節に増えていきます。原因の5位となった「電気機器」ですが、コンセントとプラグの間に埃が溜まることで発火する「トラッキング現象」。そして、過度なタコ足配線でも出火の可能性が出てきます。一つのコンセントに電気量が集中すると、コンセント自体が発熱します。また、ストーブの近くに本や衣類など燃えやすいものを置かないなどの配慮も大切です。まさかこんなことで…という理由で、自宅火災が起きることを忘れないでください。 今回、繰り返し流されたニュース映像に胸が痛みました。もしもご家族が見たら立ち直れないような内容もあったように思います。そして、報道の仕方に違和感も持ちました。猪口氏の妻は、自民党の猪口邦子参院議員。 多くの番組では、「猪口議員の夫が死亡」という伝え方をしていたように思います。 しかし、誰もが「△△の夫」「〇〇の妻」としてだけ生きたわけでも、死ぬわけでもありません。訃報にも、個人の尊重のされ方が当然あるはずです。 ましてや、猪口さんは日本国際政治学会理事長など多くの役職を務め、数々の大学で教鞭を取り、日本の政治学、教育界に大きな貢献をされてきた方です。 <インテリジェンス・ニッポン>という媒体のインタビューでこの夏、こんなことを語っていました。