暖冬、コロナ影響で客減少…今季のスキー場の営業を断念 一転、地元の熱意と3500万円の支援で営業 集客の目玉は「18歳以下リフト無料」 うどんに絞った新メニューも
長野県松本市の乗鞍高原にある「Mt.乗鞍スノーリゾート」が、休業の危機を乗り越え、12月21日から営業を再開した。利用客の減少により運営会社が撤退を決めたが、地元の観光関係者らが立ち上げた運営協議会が経営を引き継ぎ、住民やファンからの3500万円の支援を元に営業継続にこぎつけた。18歳以下のリフト券無料化や新メニューの導入など、集客のための新たな取り組みも始まっている。 【画像】レストランの新メニュー
「60年の歴史で愛されてきた」
スキー場運営協議会の山口謙代表(51)は、「60何年の歴史の中で多くの人たちが乗鞍を愛してくださってることをひしひしと感じた」と語る。 1961年にオープンしたこのスキー場は、かつては年間15万人前後の利用者がいたが、スキー人気の低迷や暖冬、コロナ禍の影響で昨シーズンは4万人弱まで減少していた。
18歳以下リフト券無料化
集客の目玉として、運営協議会は18歳以下のリフト券を無料にするという大胆な決定をした。 山口代表は「話題性でファミリーの方に来てもらい、地元の旅館とか宿に泊ってもらったり、新しいメニューのレストランを利用してもらい、地元経済にもいい効果があれば」と期待を寄せる。
うどんに絞った新メニュー
ゲレンデのレストランでは、地元で宿泊施設を営む斎藤新悟さん(39)が考案した新メニューが登場する。 斎藤さんはメニューを思い切って絞り込み、メインをうどんにした。「お客さまにストレスなく食事をしてもらいたい」と斎藤さんは語る。
再びクラウドファンディング
営業継続にこぎつけたものの、運転資金が足りず、協議会は再びクラウドファンディングで支援を募っている。目標は1800万円で、これまでに1500万円余りが集まっているという。協議会は今シーズンを乗り切ることで、スキー場の可能性を示し、将来的な運営業者の誘致につなげたい考えだ。 山口代表は「今季乗り越えて次にどう、このビジネスを引き継いでいくかがポイントなので、乗鞍のポテンシャルがどれだけあるかを示せるか。入場者数や雰囲気、サービス、それが大きなカギだと思うので、何とか乗り切って次の未来に一歩進めたらな」と意気込みを語った。 (長野放送)
長野放送
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