脳の若さと免疫力をキープ!カギを握る「自律神経」の整え方
自律神経を整える習慣#1
健やかな脳と体を保つためには、脳の“視床下部”でコントロールされている“自律神経”を整えることが大事な鍵になります。医師の溝口徹さんに、自律神経を整えるための食事術や、生活習慣について伺いました。まずは簡単にできる食事術を紹介します。 ■自律神経の乱れが原因?50代からの「だる重疲れ」解消法!
教えてくれた人:溝口徹(みぞぐち・とおる)さん
医療法人回生曾みぞぐちクリニック院長。福島県立医科大学卒業後、横浜市立大学附属病院、国立循環器病研究センターなどに勤務。著書に『心の不調の9割は食事で治る』(フォレスト出版刊)などがある。
交感神経と副交感神経のバランスが重要
免疫力や心身の安定に欠かせない“自律神経”。興奮系の交感神経と鎮静系の副交感神経で成り立ち、この2つがバランスよく働いていれば、心身ともに健康な状態が保てます。 「実は、この“自律神経”と“食事”には深い関係があります。普段から食材や食べ方など少し気を付けるだけで、自律神経を整えられるのです。ポイントは“血糖値”と“腸”。血糖値が乱高下すると交感神経を刺激しやすく、神経細胞が集まる腸が不調になると自律神経が乱れます」と溝口さん。 そこで今回は、簡単にできる血糖値と腸を安定させる食事術や、朝昼晩の生活習慣を紹介します。まずは食事編です。
“血糖値の乱高下”を防ぐ食べ方、5つのコツ
人間の体には血糖値が急上昇すると、それを急激に下げようとする仕組みがあります。すると交感神経を刺激するアドレナリンなどの物質が放出され、自律神経を乱す原因に。血糖値が安定する食べ方を心掛けましょう。 ■コツ1:「いただきます」の後は“会席料理”の順番で 何から食べるか次第で血糖値の上昇の仕方は大きく変化します。 (1)葉物野菜(食物繊維) (2)肉や魚(タンパク質) (3)米やパン(糖質) という会席料理の順に食べると血糖値の急上昇の防止に。糖質の吸収を抑える食物繊維がない場合は、肉や魚から食べましょう。 ■コツ2:朝のタンパク質は筋肉量もアップで一石二鳥! 自律神経を整えるためには、タンパク質をしっかりとることも重要。目安は1日50~60g。最近、朝15gのタンパク質をとると筋肉量が増えるという研究結果が出ているそう。朝食で、卵や納豆、ソーセージなどタンパク質をとることを心掛けましょう。 ■コツ3:夜、軽く脂質をとると血糖値が安定! よく夕食後2時間程度は空けて寝るようにといわれますが、これは就寝中に脂肪がつくのを防ぐため。 就寝前に空腹を感じ続けると就寝中に血糖値が下がる場合があるため、寝る前に軽く脂質やタンパク質(ココナッツオイルやナッツなど)をとると血糖値が安定します。 ■コツ4:果物は、タンパク質の後。“食後にデザート” 果物を朝食にとる人も多いと思いますが、果物は、糖質たっぷりで血糖値が急上昇しやすい食べ物。ビタミンなど栄養豊富でもあるので、食べるなら“タンパク質の後”がおすすめ。血糖値の上昇がゆるやかになります。果物は、やはり食後のデザートにするのがおすすめ! ■コツ5:コーヒーは、アイスよりホット!ゆっくり飲む カフェインを含む飲み物は、アイスコーヒーなど冷やした状態で飲むと短時間でごくごく飲めてしまいます。そうすると急激なカフェインの摂取となり、自律神経の乱れを助長することに。 飲むときは温かい状態で、1杯に10分程度かけてゆっくり飲むのがおすすめ。糖質なしで飲むとよりGood! 次回は、自律神経を整えるために欠かせない、ビタミンDを上手に取る食べ方のコツを紹介します。 取材・文=野田有香(ハルメク編集部)、イラストレーション=みやしたゆみ ※この記事は、雑誌「ハルメク」2023年11月号を再編集しています
雑誌「ハルメク」