トランプ氏、暗号資産をどう変える?
テザー(USDT)には朗報、USDコイン(USDC)にはそうでもない
トランプ氏の勝利は、時価総額最大のステーブルコインであるテザー(USDT)を発行するテザー社にとっても勝利だ。同社と債券取引大手キャンターフィッツジェラルド(Cantor Fitzgerald)の関係を考慮すると、そう言える。同社は、テザー社のために1000億ドルを超える米国債を運用しており、同社CEOのハワード・ルトニック(Howard Lutnick)氏は大統領選キャンペーン中、トランプ氏を熱心に支援し、次期大統領移行チームの共同議長でもある。 テザー社は、制裁措置やマネーロンダリング防止規則違反の疑いで捜査されていると繰り返し報じられている。「トランプ氏の当選は、必ずしも捜査がなくなることを意味するわけではないが、バイデン政権下ほど熱心に捜査が続けられることはないだろう」と米CoinDeskのマーケットレポーター、トム・カレラス(Tom Carreras)は述べた。 「テザー(USDT)は成長を続け、ステーブルコイン分野でのリードを固める余地があるだろう」 時価総額1200億ドルにのぼるUSDTは、一番のライバル、米サークル(Circle)社のUSDコイン(USDC)の3倍以上の規模を誇る。 「トランプ氏の勝利は、テザー社にとって可能性は無限であることを意味する。その結果、サークル社が追いつくことはさらに難しくなるかもしれない」 だが、サークルにとって悪いニュースばかりではないとカレラスは続けた。同社は「株式公開に向けて、より現実的な道筋を手に入れた可能性が高い」。
ソラナ(SOL)には朗報、イーサリアム(ETH)にはそうでもない
暗号資産で3番目の時価総額を誇るソラナ(SOL)も、恩恵を受けるだろう。 「SECは指導者の交代を控えており、ゲーリー・ゲンスラー氏のように暗号資産に敵対的な人物が新委員長に就任するとは考えにくい」とカレラスは述べた。その結果として、「金融各社がソラナの現物ETFを申請する可能性は高く、ソラナの不透明な規制状況が解消される可能性も十分にある。そうなれば、金融機関がソラナ・ネットワークとより大きな規模でやりとりできるようになる」。 SECがより寛容になることは「イーサリアムが、米国上場の現物ETFを持つ、あるいは、コモディティとしての地位に関する規制上の確実性を持つ、唯一のスマート・コントラクト・プラットフォームであり続ける可能性は低い」ことを意味するとカレラスは続けた。 「つまり、競争の場は平準化される可能性が高く、イーサリアムとソラナの競争はさらに激化すると予想できる」