「ツタロックDIG LIVE Vol.15」、いま注目の12組が渋谷で奏でたロックンロール
シンガーズハイ、Blue Mash、トリのオレンジスパイニクラブへ
MASSIVE STAGEに登場したシンガーズハイは、ド派手なビッグバンドサウンドのSEに乗ってステージへ。眩いライティングの中、ゆったりとした立ち上がりから「SHE」でライブをスタートさせた。内山ショート (Vo,Gt)が「締まっていきましょう。よろしくお願いします」と呟くと、バンドが叩きつけるようなキメを何度も繰り返してから「Kid.」が飛び出して、フロア一面から拳が上がる。捲し立てるように歌う内山のヴォーカル、重たくタイトで硬質なサウンドが身体を直撃する。ギターの高音リフが扇動して疾走する「エリザベス」ではほりたいが (Gt)がステージ前に出て跪いてソロを聴かせる場面も。「新しい曲やります」と披露されたのは、「STRAIGHT FLUSH」。ものすごい音の洪水をまき散らしながらバンドがエネルギーを放出すると、フロアは熱狂的な盛り上がりとなった。「みんな、音楽は好きですか? だったらね、くだらない皮肉がきいた悪口とかを少しはとっぱらった方が良いって、俺はそう思ってるよ」と、世間に蔓延するムードへ向けたひと言から、パンキッシュなアティチュードが炸裂した「ノールス」へ突入する等、ひたすらカオティックに駆け抜けた。 COSMIC STAGEでは、大阪を拠点に活動するBlue Mashがステージ上がる。優斗(Vo,Gt)は、いきなり「すみません、セトリ変えます!」と、「愛すべき日々」を歌い出した。「デカいステージに立ちたくて音楽をやってるわけじゃありません。フェスに出るために暗い部屋で音楽作ってるわけじゃありません。君を救うために音楽をやってるんだ!」そう叫びながら歌うと、オーディエンスは拳を突き上げ、もみくちゃになってステージ前に転がり込みながら、全身でバンドへ意思表示をしている。「春のまま」では、バカでかい音を叩きつけるようなサウンドの中に、感傷的な言葉が顔を覗かせる。「去年の今日歌詞を書いてメロディを付けて曲を作りました。去年の俺に、あのときの悔しさは無駄じゃなかったと言えるように歌います」と歌い出したのは、「セブンティーン」。こみ上げるように感情迸る歌とバンドが一丸となった演奏に圧倒された。歌い終わると、悔しい思いが音楽に昇華されたように、「ありがとう!」と素直な感謝を観客に伝えた。最後は「海岸線」を歌い、「出会ってくれてありがとう! ロックスター4人組でした。ありがとうございました」と笑顔でステージを降りた。 トリを務めるのはオレンジスパイニクラブ。「Last Night」でスズキユウスケ(Vo, Gt)がハンドマイクで歌いながらステージを行き来する姿は、ギターボーカルが多いイベントに於いて新鮮に映る。その後ギターを手にすると、スローな歌い出しでコーラスワークも聴かせた「モザイク」へ。緩急自在にテンポチェンジするアレンジが曲の世界観を感情豊かに伝えた。「2年前にツタロックに出たときはこのステージのトップバッターを務めたんですけど、今回はトリを任せてもらいました」と、バンドの成長を感じさせるMCも。真っ赤な照明の中で歌われた緩やかな16ビートの「ルージュ」、メロディアスな「キンモクセイ」といった、ポップセンス溢れる楽曲で心地よくライブが進んでいく。激しく疾走する「君のいる方へ」でフロアが沸き立ち、「敏感少女」へ雪崩れ込むと、フロアでは一日中ライブを観ていたであろう多くの音楽ファンが、元気一杯にステージ上のメンバー4人が奏でるロックに腕を振り上げて応えている。いったんステージを後にしたものの、バンドはアンコールに応えて再びステージへ。「今日出演したバンドを代表してめちゃくちゃかっこいいロックンロールやって帰ろうと思います!」。飛び出した曲は、「急ショック死寸前」。〈ロックンローラー パンクロッカー〉と叫ぶ、文字通りかっこいいロックンロール。「おやすみなさい! オレンジスパイニクラブでした!」と、見事にトリの大役を果たして去って行った。 <イベント情報> 「ツタロックDIG LIVE Vol.15」 2024年8月7日(水)Spotify O-EAST 出演:Atomic Skipper/オレンジスパイニクラブ/カネヨリマサル/cherie/ジ・エンプティ/シンガーズハイ/チョーキューメイ/プッシュプルポット/Blue Mash/Laughing Hick/レトロマイガール!! 主催・企画:CCCミュージックラボ(株) 制作:株式会社シブヤテレビジョン 協力:Rolling Stone Japan 公式HP: 公式Twitter:
Rolling Stone Japan 編集部