「ツタロックDIG LIVE Vol.15」、いま注目の12組が渋谷で奏でたロックンロール
レトロマイガール!!、カネヨリマサル、Laughing Hickの熱いライブ
レトロマイガール!!がCOSMIC STAGEに登場。花菜、あやき、ひらおかの3人からなる大阪北摂を拠点に活動するスリーピース・ロックバンドだ。ギター/ヴォーカル花菜の弾き語りから「君と夕焼け」でライブをスタート。ベース、ドラムが重なったときの音の迫力は強烈だ。3ピースとは思えないくらいの音の厚みに、花菜の抜けがいいヴォーカルと声量もインパクトがある。爽快感のある「映画で会いましょう」では観客たちのテンションも上がる。MCで6月に開催された大阪編に出演し、今回が2回目の出演となることを話すと、拍手が沸き起こった。「今日は、初めて見てくれている人も、応援してくれている人にも、ちゃんと全員に届くように歌って帰ります」と新曲「落陽」をじっくりと歌い上げた。続くバラード曲「ふたり」は想いを込めて熱唱し、楽器隊が重なると、その世界を増幅。リスナーへの感謝を述べ、「いつかツタロック本祭にも出たいです」と口にし、終始真っ直ぐで力強いパフォーマンスで30分のステージを終えた。 続けてMASSIVE STAGEにてライブを行うのは、大阪を拠点に活動するガールズ3ピースロックバンド、カネヨリマサル。10分以上しっかりサウンドチェックを行い、そのままステージ上にスタンバイ。17時30分になると「大きいライブハウス、楽しくやりましょう!」とストレートなギターロック「ラクダ」でライブをスタート。躍動的な3人の演奏スタイルに、観客たちも呼応するかのように手を挙げ盛り上がりを見せていく。ギター/ヴォーカルのちとせみなによる裏声も印象的だ。「今日は新曲をやろうと思います。ライブハウスの力見せていきましょう」とベースのいしはらめいが観客たちに手拍子を煽り、「嫌いになっちゃうよ」へ。「今日はたくさんのバンドが出て、たくさんの人を巻き込んでいるイベントに出ることができて嬉しいです。音楽でできることを信じて最後まで届けていきます」「ライブハウスは非日常やと思っている。日常で戦って、命を続けて、好きなバンドを見に行こうと思っていると思う。だからこそみんなの心を満たしたいと思う。音楽で支えたい。守りたい」と終始ポジティブな雰囲気を作り出し、6曲を演奏してステージを後にした。 夕刻のCOSMIC STAGEには、山梨発の3ピース・ロック・バンド、Laughing Hickが登場した。ホリウチコウタ(Vo,G)がさりげなくギターを鳴らして「愛してるって」を歌い出す。たいち(Dr)、あかり(Ba)のリズム隊が刻むシンプルな演奏に乗せて、過度に声を張ることなく歌うホリウチの歌声は、こちらに語り掛けてくるような、不思議な親しみやすさがある。「ホンネ」では「盛り上がっていこうぜ! 手を振れますか?」と一体感を求めた。「初めてのツタロック、初めてのO-EASTめちゃめちゃ楽しみにしてきました。しっかりLaughing Hickの1音1音を届けようと思います」。そんなMCから歌われたミディアムバラード「カフェオレ」。続けて直線的にパワーコードを刻みながら「カシスオレンジ」へと繋いでいく。徐々に熱を帯びる演奏と歌に、じっと聴き入っていたオーディエンスから自然にステージに向けて手が上がった。「今日は全員好きにさせて帰すんで!」(たいち)。そんなセリフが本気なことを感じさせるライブは、ダンサブルな「休憩と宿泊」、歌い出しから一体となった「女だから」と続き、しっかり爪痕を残して終了となった。