「ツタロックDIG LIVE Vol.15」、いま注目の12組が渋谷で奏でたロックンロール
Atomic Skipper、cherie、チョーキューメイが登場
メインステージのMASSIVE STAGEに登場したのは、静岡県浜松市にて結成された4人組バンド、Atomic Skipper。4人がステージ上で拳を合わせると、「ツタロック、やろうぜ!」という中野未悠の空気を切り裂くような叫び声とともに「星降る夜」を演奏。サビの「星降る夜の中」ではメンバーも観客たちもシンガロング。「ここはライブハウス。大体のことは自由なので、もっと自分らしくやっていいよ。何かあったら私たちが謝るので最後までよろしくおねがいします!」と伝えると、それまで以上に観客たちは拳をあげ飛び跳ねて音に乗っていく。キャッチーでメロディアスな旋律に対して、楽器帯の演奏は激しくキレキレ、ギター神門弘也とベース久米利弥のコーラスワークも特徴的だ。約2年前から声はかかっていたがタイミングがあわず、ようやく出演できた喜びを語り、「いまの時代にロックバンドをやらなきゃいけない理由がある」と声に出し、最後までエネルギッシュな演奏を見せた。 オレンジの照明の中、1人ずつCOSMIC STAGEに登場した名古屋発4人組ロックバンド、cherie。ヴォーカルおざきのギターバッキングからドラム、ギター、ベースが重なり、端正なアンサンブルの上に、キー高めなおざきの特徴的なヴォーカルが乗る。これまで登場したバンドたちの熱量を全開に出していくスタイルとは違う形で、じわじわと観客たちの熱をあげていく。ギターフレーズが心地いいオルタナロック調の「恋はジレンマ」ではテンポを変えて展開を作っていくなど、アレンジが心地いい。「サブステージだからって舐めるんじゃねえぞって感じです」と静かにアティチュードを示すところも、cherieというバンドらしさを示している。激しいビートと重低音のベースがグルーヴを生む「拡散」、スローテンポでじっくりと歌をうたいあげる「幸せと災難」など、楽曲のバラエティが豊かだ。「貴方依存症」では観客たちが手拍子で一体感を作り、最後までcherieらしいライブを作り上げた。 続いてMASSIVE STAGEに登場したのは、東京を中心に活動する4人組バンド、チョーキューメイ。ドラム、ベース、キーボード、ギター/ヴァイオリンという編成で、メンバーの立ち位置も横一列だ。キーボードの演奏から、麗のヴォーカル、ベース、細かくハイハットを刻むドラムのアンサンブルで「故のLOVE」を披露。太いベースソロで観客たちに手拍子を促すと「心を照らせ!」へ。ジャジーでラグジュアリーなサウンドに、途中で麗もヴァイオリンを手に演奏。一転、「おやすみパパママ」では、再び麗がヴァイオリンを手にし、激しいドラムのリズムの上でソロを披露。赤青に照らされる照明の中、ベースソロでさらにグルーヴを生み出した。カウベルの音も重なる重層的なダンスチューンだ。そしてTiktokで10億回超の再生されている大ヒット曲「貴方の恋人になりたい」「涙と羽根のピアス」と続け、圧倒的な演奏力と構成力で観客たちを釘付けにしてステージを後にした。