「欲」を「志」に変える。事業を拡大させる経営者の魅力
人と向き合い、これまで数多くの起業家に伴走してきた2人。最後に、投資家の視点で現在注目している分野について、それぞれ次のように語る。
宮宗氏「1つはAIです。今後人手が不足していくなかでAIにどう置き換わっていくのか注目しています。もう1つはMBOやスピンアウトと言われる、大企業から独立をしてスタートアップとしての成長を目指す領域です。私たち自体も上場企業からスピンアウトをしており、各社オープンイノベーションなどの取り組みが加速するなか、MBOやスピンアウトはさらに増えていくと感じます」
鈴木氏「1つはレガシーDXです。これまで実質的にはまだまだトレンドワードに留まっていましたが、日本の発展が崖っぷちになり、人手不足問題や働き方の多様化やそもそものサービスのイノベーションなどが待った無しのテーマになった今、非効率な業務をITツールなどの導入で効率化するといったDX化は一気に加速すると思っています。そこでは、ツールとアウトソースの掛け合わせがポイントと言えるかもしれません。もう1つは、クリエイティブエコノミーです。生成AIの登場は言うまでもなくクリエイティブの生産や消費や保有等のあり方を一気に変えており、それはクリエイティブにおけるコンテンツだけでなくてセキュリティなどの周辺要素も含め、スケールしていくのではないでしょうか」
宮宗氏と鈴木氏、ともに共通していたのは、投資する際に必ず「人」を見るという点。宮宗氏は大きな志と実行力、鈴木氏は強烈さとチャーミングさを重視している。欲を志に変え、内に向いていたベクトルを外に向けられるかどうかが、成長するための分岐点なのかもしれない。
文:吉田 祐基 写真:小笠原 大介
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