良かれと思ったのに逆効果!「部下の成長を阻害させる上司の行動」5選【ビジネス最前線】
マネジメント課題解決のためのメディアプラットホーム「識学総研」が、ビジネスの最前線の問題を解説するシリーズ。今回は、部下の成長を阻害させる上司の行動について考察します。
はじめに
部下育成は、組織の発展と個人の成長を両立させるうえで重要な経営課題です。業績改善を追求する中、部下の育成に目を背けると組織強化は採用にかけるしかありません。ご経験があるかと思いますが、「採用」は採用してみないと評価ができません。履歴書や職務経歴書、面接だけではその方の適正や実力を正しく判断できないのが実情だと思います。その意味において「採用」は「博打」のようなものであり、「会社の持続的発展」は「部下の成長」にて実現していくしかなく、部下育成のマネジメント向上が競合他社に対する競争優位性構築となります。 今回は良かれと思って行っている上司の日々のマネジメントが逆に部下の成長を妨げている事例をご紹介し、正しい部下育成のマネジメントをご案内いたします。
(1)一個飛ばしの指示
「一個飛ばし」とは社内におけるコミュニケーションスタイルです。「社長が直部下の部長を飛び越して課長に指示を出す」などのように一個下の階層を飛び越した指示/報告の仕方です。 お客様からの依頼に速やかに対応するためには直部下を通じた指示だと時間が掛かる、直部下を通した指示だと現場に正しく伝わらない、このような背景から「一個飛ばし」を行っている会社はとても多いです。皆様の会社ではいかがでしょうか? このマネジメントが招く一番の弊害は直部下が育たなくなることです。我関せずの指示が増えれば増えるほど直部下から当事者意識が失われていきます。直部下の成長にブレーキがかかるほど上司は現場仕事に忙殺され、上司からも中長期的な経営視点が奪われます。
(2)規則違反を見逃す
会社には出社時間や身だしなみ、挨拶、整理整頓など、経験やスキルがなくても気持ち一つで守れる規則が複数存在します。皆様の会社ではこのようなルールにおける違反を発見した際、漏れなく部下へ指摘できていますでしょうか? 部下と接する時間が長くなればなるほど上司の心に部下への情が生まれるものです。この情から「毎日一生懸命に頑張っているから今回の違反は大目に見てあげよう」「大人になってまで一つ一つのルール違反を指摘していたら、上司である自分自身も疲れるし、部下のやる気を削いでしまうので、よっぽどの時だけ指摘はするようにしよう」などと部下の規則違反を敢えて見逃しているマネジメントは多くの会社で散見されます。 この「規則違反を見逃す」マネジメントも部下育成を阻害します。規則違反を許された経験を積んでいく部下は、いずれ上司の指示を自身で守る/守らないを選択するように変化します。上司の指示を選択する仕事ぶりでは部下は正しく成長できません。