良かれと思ったのに逆効果!「部下の成長を阻害させる上司の行動」5選【ビジネス最前線】
(3)事あるごとにアドバイスをする育成手法
部下の成長を心から願う現場経験豊富な上司ほど、部下へ頻繁にアドバイスをする傾向があります。しかしながら、事あるごとにアドバイスを与えると部下の成長はストップします。 アドバイスを頻繁に受ける部下は、何か困った時にすぐに上司に助言を求めるようになります。都度ほしい助言を手にする部下は、自身で考えて行動するより、上司のアドバイス通りに仕事をした方が効率もよく、安心できるからです。 部下には失敗させたくないとの思いから行う頻繁なアドバイスが部下を受け身姿勢に変化させてしまいます。
(4)プロセスを褒める育成手法
「人は褒められて育つ」との考えを実践されている上司は多くいらっしゃいます。人には常に承認欲求を満たしたく、他者からの存在意義を認識したい本質があります。「褒められる」ことは気持ちよく、「褒める」ことは相手を尊重している証しになります。「人は褒められて育つ」とのマネジメント手法自体は誤りではありません。 しかしながら、「褒める対象」を見誤ると部下の成長は止まり始めます。生活の糧を得るために働いている職場において、社員が頑張るのは当たり前です。頑張って成し遂げた結果が給与となります。生活の糧を得る上での事実、仕組みを正しく認識できない部下を生んでしまうことになります。日々の仕事ぶりを労ってもらう経験を積む部下は労ってくれるから頑張る、労ってもらえないと頑張れないという意識に変化します。結果を成し遂げる手前のプロセスを褒められると、その部下はそこで満足してしまいます。結果を出すよりその手前のプロセスをアピールするように変化してしまいます。
(5)上司が部下の目標を設定しない
転職市場が活況を呈している中、部下には少しでも長く一緒に仕事をしてほしいと考える上司は多くいらっしゃいます。心理的安全性の確保も組織運営上大きなテーマとなっているので、今まで以上に上司のマネジメントが部下自身を尊重する傾向にあります。部下自身のやりがいを尊重するあまりに、上司が部下に目標を設定しないマネジメントが多く見られます。部下自身に目標を設定させるマネジメント、評価の仕組を取り入れているケースは多く見られます。 個を尊重すること自体は当然必要ではありますが、「上司が部下の目標を設定しない」マネジメントは、部下の成長に支障を与えます。部下自身が自分なりに設定した目標を達成できた時、部下自身が感じる達成感と上司評価とが一致しなくなり、評価に不満を感じる部下を生んでしまいます。結果を出し続ける主体性ある部下ほど定着しにくくります。