食べられるのは来年の3月まで! 天然かき氷の名店が誇る、別格の宇治金時
【THEご褒美スイーツ ~知っておきたい通な店~】
「食事と同じくらい、スイーツにも絶対手を抜きたくない!」と、日々美味なるスイーツを探し求める甘いもの好きさんにお届けする本連載。スイーツの歴史研究のみならず、製菓にも精通するお菓子の歴史研究家・猫井登さんが太鼓判を押す、ご褒美スイーツを紹介します。
「だるまや餅菓子店」
暑い! 溶けてしまいそうに暑い! 暑いときのスイーツと言えば「アイスクリーム」や「かき氷」だが、気温が上がるほど、かき氷を食べたいという人が増える。気温30℃で30%超の人が、気温34℃で50%超の人が、かき氷を食べたくなると言われている。……というわけで、今回は「食べログ 和菓子・甘味処 TOKYO 百名店」にも選ばれる「天然かき氷」の名店をご紹介。
「だるまや餅菓子店」は、JR埼京線・十条駅からすぐの商店街、十条銀座にあるお店だ。こちらのお店で特に人気なのが、天然氷を使ったかき氷「あまおう」と「ミルク宇治」。まずは「あまおう」から。
【ご褒美スイーツその①】かき氷「あまおう」
「あまおう」のシロップは、旬の時期に収穫したあまおう苺を冷凍したものを解凍して、和三盆糖を加えただけのシンプルなもの。くどさは一切なく、潔い甘さで、天然氷の味わいを引き立てている。
こちらの「かき氷」はすべて、南アルプス・八ヶ岳の天然氷屋「蔵元八義」の天然氷で作られる。
天然氷とは、冬に自然の寒さだけで、ゆっくりと時間をかけて作った氷のことだ。水は時間をかけてゆっくり凍らせると不純物を含まない純度の高い状態となり、気泡のない透明な氷となる。冬場に作られた氷は氷室(ひむろ)に貯蔵され、夏を待つ。昭和初期には、全国に100軒近くの氷室があったが、現在残るのは数軒くらいだという。
まずは、天然氷そのものを味わってみる。ジャリジャリ感は全くなく、ふわっふわ! 口に含んだ瞬間に、さぁ~っと溶けていく。もちろん、頭のキーンもなし。すっきりと柔らかな印象で、森林の中で深呼吸をしたような爽やかさを感じる。
「蔵元八義」の水は、敷地内の80m程の井戸から汲み出しているが、八ヶ岳南麓のこの地区は名水百選「八ヶ岳南麓高原湧水群」と呼ばれ「三分一湧水」「大滝湧水」など多くの湧水がある。軟水でクセがなくて口当たりが良く、森の香りが感じられるようなすっきりとした味わいが魅力だといわれている。